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ダウン症の余分な染色体の働き止めるiPS総合案内所
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ダウン症iPS、修正成功=余分な染色体の働き止める―将来は治療応用も・米大学

 ダウン症候群の患者の細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、特殊な遺伝子を使って通常より1本多い染色体の働きをほぼ止めることに、米マサチューセッツ大医学部のジャンヌ・ローレンス教授らが成功した。17日付の英科学誌ネイチャー電子版に論文を発表した。
 この遺伝子は女性に2本あるX性染色体のうち、片方の働きを止めている「XIST」遺伝子。
 ダウン症は21番染色体が通常の2本でなく、3本あることが原因で起きる。知的発達の遅れや心臓疾患などの症状や程度はさまざまで、21番染色体にあるどの遺伝子の働きが多いことが原因なのか、詳しい仕組みの解明が進んでいない。
 しかし、この技術を応用すれば、同じ患者の細胞で21番染色体の働きを制御して影響を調べられるため、症状と原因遺伝子の関係の解明が進むと期待される。
 これまで一つの遺伝子の異常が原因で起きる病気には、遺伝子治療が試みられてきた。ローレンス教授は「長期的にはダウン症患者の『染色体治療』ができる可能性がある」と説明している。同教授らは今後、ダウン症のモデルマウスを使って、染色体治療ができるか取り組む方針。 (時事通信 7月18日(木)2時5分配信)
【解説】
この論文からすると、ダウン症の遺伝子治療の道のりはまだはるか遠い感があります。iPS細胞の余分な21番染色体の一つの働きを止めることができたようですが、実際ダウン症患者の体のすべての細胞の余分な21番染色体の働きを止めるには、何かしらの仕組みが必要だと思います。また、体中の「XIST」遺伝子を機能させるには、どのような方法が必要かが未知数です。さらに、例えば、脳の余分な21番染色体の働きを止めたとして、それまでの記憶が保持されるのかは、甚だ疑問です。ただ、それらがクリアされれば、生後間もない乳児や出産前の胎児の段階で遺伝子治療を行えば色々な問題もクリアされるのかもしれませんので、期待したいと思います。
【豆知識】
  1. ダウン症を薬で治そうという試みをエーザイ等が積極的に行っていますが、症状緩和が限界な気がします。
  2. 体中のすべての細胞の余分な21番遺伝子の働きを止める方法を考えないといけませんが、そんなことができるのかが疑問です。
  3. ダウン症の中でも、「モザイク型」と呼ばれる、正常な細胞と21番染色体が三本の細胞が混在する種類があるので、このニュースの方法で、「モザイク型」にでもできれば、症状は確かに改善されます。


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