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スマホと人工衛星の直接通信(スターリンク、スペースX、インターネット)

はじめに

2024年、スマホと人工衛星の直接通信が、実用化されます。イーロン・マスク氏のスペースXのスターリンク衛星により、スマホで、インターネットに接続できるようになります。KDDIが、スペースXと組みます。スマホの周波数帯を利用するので、他の設備が必要なく、衛星が地表近くに位置するので、高速通信が可能です。

目次

  1. スマホと人工衛星の直接通信の仕組み
  2. 今回の特徴
  3. スペースXとは
  4. スターリンクとは
  5. 各社の取り組み
  6. 関連ニュース
  7. まとめ

スマホと人工衛星の直接通信の仕組み

スマートフォンと人工衛星の直接通信は、通常、以下の手順や仕組みを組み合わせて実現されます。ただし、具体的な技術やプロトコルは常に進化しているため、最新の情報を確認することをお勧めします。

  1. 信号の送信と受信:スマートフォンは、特定の周波数帯域で通信するための送信機能(トランスミッタ)と、受信した信号を解読する受信機能(レシーバ)を持っています。人工衛星も同様に、通信機能を備えており、地上から送信された信号を受信して再送することができます。
  2. 周波数帯域:スマートフォンと人工衛星は、通信に使用するために割り当てられた周波数帯域を利用します。これにより、地上の基地局から人工衛星に向けて信号を送信し、衛星はその信号を受信して別の周波数で地上に再送信します。これによって、地上の基地局と直接通信せずに、信号が中継される仕組みとなります。
  3. 地上局とゲートウェイ:地上には、人工衛星との通信を管理するための地上局が存在します。これは通信事業者や組織によって運用され、スマートフォンからの信号を受信し、人工衛星への送信を行います。また、人工衛星の信号も受信し、適切なデータ処理やルーティングを行います。地上局は、複数の人工衛星と通信するためのゲートウェイとして機能することもあります。
  4. 遅延の管理:信号が地上から人工衛星に送信され、再び地上に送信される過程で、通信には一定の遅延が発生します。この遅延は、信号が宇宙空間を伝播するためにかかる時間によるものです。この遅延は、一部のアプリケーションやサービスに影響を与える可能性があるため、適切な制御が行われます。

以上の要素が組み合わさって、スマートフォンと人工衛星の直接通信が実現されています。ただし、これは簡略化された説明であり、実際の通信はさまざまな技術やプロトコルに基づいて複雑に行われています。

今回の特徴

今回の通信は、人工衛星の周波数ではなく、スマホの周波数を使うため、地上局が、必要ありません。

そのため、スマホさえあれば、日本中で、衛星を介して、インターネットに接続が可能になります。

また、通常の静止衛星は高度約3万6千キロメートルに位置する一方、スターリンクの衛星は高度550キロメートル程度と地上に近いです。そのため専用アンテナを用いた際の通信速度は最大で220メガ(メガは100万)ビット毎秒と既存の衛星通信よりも速く、4Gと遜色ない速度の通信ができます。

スペースXとは

スペースX(SpaceX)は、アメリカ合衆国の宇宙航空会社で、正式名称は「Space Exploration Technologies Corp.」です。2002年に起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)によって設立されました。スペースXは、宇宙産業におけるイノベーションと費用削減を追求しており、主に以下のような活動を行っています。

  1. ロケットの開発と運用: スペースXは、再利用可能なロケット技術の開発に焦点を当てています。その代表的な製品は「ファルコン 9」と「ファルコン ヘビー」ロケットです。これらのロケットは、打ち上げ後に地球に戻ってきて、再利用が可能です。これにより、従来の使い捨て型ロケットよりもコストを大幅に削減することができます。
  2. 宇宙船の開発: スペースXは「クルードラゴン」や「カーゴドラゴン」などの宇宙船を開発しており、国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッションや、将来的には有人宇宙飛行を実現するための技術を開発しています。
  3. スターシップとスーパーヘビー: スペースXの最も野心的なプロジェクトの一つが、スターシップと呼ばれる大型宇宙船と、それを打ち上げるためのスーパーヘビーというロケットです。スターシップは、有人宇宙飛行から火星への有人探査まで、幅広いミッションに活用されることを目指しています。
  4. インターネット衛星ネットワーク(Starlink): スペースXは、衛星を用いた高速インターネット通信を提供するプロジェクト「Starlink」を進めています。大量の低軌道衛星を展開し、地球全域にインターネット接続を提供することを目指しています。

スペースXは、これらの取り組みを通じて宇宙産業に大きな変革をもたらしており、特に再利用可能なロケット技術の導入や、コスト削減の取り組みが注目されています。

スターリンクとは

Starlink(スターリンク)は、スペースX(SpaceX)によって進められている、衛星ベースのインターネット通信ネットワークプロジェクトです。このプロジェクトは、地球上のあらゆる地域に高速で広帯域のインターネット接続を提供することを目指しています。

Starlinkの主な特徴や仕組みは以下の通りです:

  1. 衛星ネットワーク: Starlinkは、低軌道(Low Earth Orbit, LEO)に大量の小型通信衛星を展開することで、地球全体に広域なカバレッジを提供します。通常の通信衛星よりも低い軌道に配置することで、通信遅延を削減し、高速な通信を実現します。
  2. 大量の衛星: Starlinkのコンセプトは、数千から数万もの小型衛星を軌道に送り込むことです。これにより、通信ネットワークの帯域幅を増大し、多くのユーザーに高速なインターネット接続を提供することが可能となります。
  3. 再利用可能なロケット: Starlinkの衛星は、スペースXの再利用可能なロケット技術を活用して打ち上げられます。これにより、コストを削減し、効率的な展開が行われます。
  4. ルーターと端末: ユーザーは、Starlinkの通信ネットワークに接続するために、スペシャルなルーターとアンテナを使用します。これにより、地上からの信号を衛星に送信し、衛星からの信号を受信して高速なインターネット接続が可能となります。
  5. 過疎地や離島への影響: Starlinkは、インターネットのアクセスが難しい地域や過疎地、離島などにとって、新たな通信インフラストラクチャを提供する可能性があります。

Starlinkは、これまで通信インフラの限られた地域でのインターネットアクセスを改善するための一環として展開されています。その大量の衛星展開と高度な技術により、地球上のどの地域でも高品質なインターネット接続が可能とされています。

各社の取り組み

KDDIは、2024年に、新サービスを携帯ブランドのau、UQモバイル、povoで利用できるようにする。既存プランのオプションとして打ち出すか、独立したプランとして販売するかは検討中としている。料金などサービスの詳細は今後発表する。

楽天グループが出資する米AST&Scienceは、22年9月に試験衛星を打ち上げた。

NTTもスカパーJSATホールディングスと新会社を立ち上げ、宇宙空間に基地局を設けて山間部や災害時でも携帯通信がつながる仕組みの開発を進めている。

ソフトバンクは今秋から国内でスターリンクの法人向け代理販売を始める。

スペースXはスターリンクのサービスをウクライナに無償提供している。マスク氏は米国政府に対し、費用を要求していたとされる。

関連ニュース

スペースXとKDDI、スマホと衛星直接通信 国内どこでも

米宇宙開発のスペースXとKDDIは30日、日本で衛星通信とスマートフォンを直接つなぐサービスを2024年をメドに始めると発表した。専用アンテナが不要となり、特別な設備なしで屋外ならどこでも通信できるようになる。まずはメッセージの送受信から始め、音声通話やデータ通信に順次対応する。山間部や海上などで活動する個人・法人の利用を見込むほか、災害対応にも生かせるとみている。

日本ではこれまで、スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を利用するには衛星の電波を中継する専用アンテナが必要だった。新サービスではスマホ向けの周波数を使うことでスマホと衛星が直接通信できるようにした。

2023年8月30日:日本経済新聞

まとめ

スマホなどの通信手段として、衛星を使うと、より広いエリアをカバーできるので、とても有用です。

衛星から、スマホの周波数帯を使えるので、他の設備が必要ありません。

衛星が、比較的地表近くに位置するので、高速通信が可能です。

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