原付きバイクが日本で長年親しまれてきましたが、2024年11月以降に強化される排ガス規制により、ホンダやスズキといったバイクメーカーが国内での生産を終了する見通しです。この決定は、原付きバイク市場の縮小と新しい規制に対応するための技術的・経済的負担が主な理由です。
原付きバイクの人気を牽引したのは、1958年にホンダが発売した「スーパーカブ」で、利便性と優れた燃費性能が評価されました。しかし、1990年代以降、景気低迷や若者のバイク離れ、さらに電動アシスト自転車の普及などにより出荷台数が減少。1982年に278万台というピークを記録してから、昨年にはわずか9万台となり、ピーク時の3%ほどに減少しています。
原付きバイクの販売減少に追い打ちをかける形で、来年の排ガス規制強化が進み、エンジンの設計変更が求められますが、市場の縮小により採算が取れないと判断され、生産終了が決定的となっています。
しかし、メーカー各社は、電動化への移行を進めています。ホンダはすでに電動バイクを4車種発売しており、バッテリー交換によって充電待ちの時間を短縮できる点を強調していますが、現時点では価格が高く、普及には課題があります。スズキも「電動モペット」と呼ばれる新しい二輪車を開発中で、ペダルを使用して走行距離を伸ばせる機能を備えています。
さらに、ホンダ、ヤマハ、スズキ、川崎重工業の4社はバッテリー規格の統一や交換式システムを導入することで、電動バイクの普及を目指しています。国内外の競争も激化し、中国メーカーのヤディアが10万円程度の低価格電動バイクを日本市場に投入予定で、日本メーカーにとって強力なライバルとなる可能性があります。
原付きバイクがエンジンからモーターへと姿を変えつつも、人々の日常生活を支える移動手段としての役割は引き続き期待されています。しかし、価格や走行距離の課題が解決されるまでは、普及には時間がかかるとみられます。
2024年11月以降に強化される日本の排ガス規制は、欧州の排出ガス基準である「Euro 5」に相当する厳しい基準が導入される予定です。この規制は、50cc以下の原付きバイクを含む二輪車の排出ガスをさらに抑制するためのもので、環境保護を強化することを目的としています。
この規制は、世界的なカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする)の流れに沿ったもので、日本も2030年までにCO2排出量の大幅削減を目指しており、その一環としてバイク業界にも厳しい基準が求められています。
生産終了の見通しとなっているのは、主に50cc以下の原付きバイク(第一種原動機付自転車)です。このクラスのバイクは、2024年11月以降に強化される排ガス規制に対応するための技術改良が特に困難であり、採算が取れないため、生産終了が検討されています。
50ccを超える排気量、例えば125ccクラスのバイク(第二種原動機付自転車)については、現時点では即時の生産終了の見通しは報じられていません。50ccクラスと比べると、125ccクラスはエンジンがより大きく、技術的に排ガス基準をクリアしやすいため、引き続き対応可能と考えられます。また、これらのクラスは市場での需要も比較的高いことから、各メーカーは排ガス規制に対応した改良型エンジンの開発を進める可能性が高いです。
ただし、125ccクラス以上のバイクも、規制強化に対応するためにはコストや技術的な課題が残るため、今後の動向次第では、電動化の波がこのクラスにも広がることが予想されます。すでにホンダやスズキなどのメーカーは、電動バイクの開発に力を入れており、原付クラス全体での電動化が進む可能性もあります。
要するに、50cc以下のバイクは規制強化に対応できず生産終了の見通しですが、125ccクラス以上は今後も生産されるものの、電動化や価格面での課題が依然残ります。
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