原発処理水中のトリチウムは、体内蓄積されないし、生物濃縮もされないと言われています。しかし、トリチウムの中には、生物の体内でたんぱく質などの有機物と結合するものがあります。有機結合型のトリチウムは体に取り込まれたトリチウムのうちの5%から6%だと言われています。
「原発処理水に含まれるトリチウムが、プランクトンや魚などを介して、蓄積されて、それを食べた人にまで、濃縮されるのではないか?」という疑問がありますが、結論としては、トリチウムは、水と同じようなものなので、体内に取り込まれても、蓄積されることは少ないです。
しかし、トリチウムの中には、生物の体内でたんぱく質などの有機物と結合するものがあります。「有機結合型トリチウム」と呼ばれていて、通常のトリチウムに比べると、体の外に排出されるのが遅くなることが知られています。
トリチウム(tritium)は、水素(hydrogen)の同位体の一つです。通常の水素原子とは異なり、トリチウム原子には1つの陽子と2つの中性子が含まれています。これにより、トリチウムの原子質量は通常の水素の約3倍になります。化学記号では ^3H または T で表されます。
トリチウムは放射性同位体であり、放射線を放出します。主にベータ崩壊を起こし、高速電子を放出します。その半減期は約12.3年です。この放射性性質を活かして、放射線源や放射性トレーサーとして科学研究や工業プロセスで使用されることがあります。また、核融合反応で燃料としても利用されることがあります。核融合は、太陽などの恒星でエネルギーが生成される過程の一部であり、将来のエネルギー供給の可能性を追求する研究分野でも重要な役割を果たしています。
ただし、トリチウムは放射性同位体であるため、取り扱いには注意が必要であり、適切な安全対策が必要です。
トリチウムは水の一部として存在するため、水から取り除くのは難しいです。
トリチウムは放射線の一種、ベータ線を出しますが、エネルギーは弱く、紙一枚でも通り抜けることができません。
有機結合型トリチウム(Organically Bound Tritium、OBT)は、トリチウム(^3H)が有機化合物の形で存在する化学物質を指します。通常、トリチウムは水(H2O)として存在し、水分子中の水素原子の一部がトリチウムに置き換わっています。しかし、OBTは、水以外の有機分子としてトリチウムが結合している状態を指します。
OBTは主に二つの形態で存在します:
OBTは放射性同位体であるため、環境への放射線被曝や人体への健康への影響が懸念されます。そのため、環境監視や原子力施設の廃棄物管理などで、OBTの含有量と取り扱いに関する厳格な基準と規制が存在します。
有機結合型のトリチウムは体に取り込まれたトリチウムのうちの5%から6%だと言われています。
その多くは40日で半分となり、長く残るものでは半減するのに1年ほどかかりますが、最終的にはすべてが排出されるとされています。
海洋放出している1リットル当たり1500ベクレル程度の濃度であれば、毎日2リットル飲んだとしても1年間で被ばくする線量は0.1ミリシーベルトに満たないとしています。
これは、胸のレントゲン撮影よりも低い値で、癌のリスクの100ミリシーベルトに達するまで100年以上かかるので、健康への悪影響は、低いとされています。
結論としては、処理水のトリチウムは、生物濃縮されなくて、有機結合型トリチウムの影響も、軽微であるようです。
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