太陽では、「黒点」の発生による「太陽フレア」、「太陽コロナ」で起こる「コロナ質量放出(CME)」があり、これらにより発生する「プロトン現象」などがあります。そして、これらの活動によって、「電磁波」や「太陽風」が、地球に影響を及ぼします。
地球の磁気圏は、プロトン現象などに伴う高エネルギー粒子に対するバリアの役割を果たします。太陽風によって、大量のエネルギーが磁気圏に流入すると、大きな「地磁気擾乱」現象の「磁気嵐」が、発生します。地球磁気圏内の外帯には、高エネルギーの「放射線帯電子」が分布していて、太陽風の影響を受けます。
高度400km付近は、地球大気がプラズマ状態の「電離圏」となっています。地磁気嵐が起こると、電子密度が大きく変化する「電離圏嵐」となります。太陽フレアによって、電離圏D領域の電子密度が増加すると、短波帯の電波を吸収する「デリンジャー現象」が、発生します。高度100km付近の電離圏E領域で、電子密度の高い「スポラディックE層」が、現れることがあります。
大きな「太陽フレア」が起きたり、「プロトン現象」が発生すると、「デリンジャー現象」や「電離圏嵐」、「スポラディックE層」が発生して、航空や船舶無線などの短波通信ができなくなったり、ラジオ放送が聞こえなくなることがあります。
宇宙天気の乱れによって、地上管制との通信障害、測位誤差、および乗員乗客の被曝などが、発生することがあります。そのため、「太陽フレア」「プロトン現象」「電離圏嵐」「デリンジャー現象」「スポラディックE層」の現象のレベルが上がると、航空機の航路変更を余儀なくされます。
高エネルギー粒子が増大すると、「プロトン現象」や「放射線帯電子」のレベルが上がり、宇宙飛行士が被爆することがあります。
NASAでは、24時間宇宙天気の監視をしていて、警報発令時には、宇宙飛行士の船外活動が中止されて、シェルターへの避難誘導をしたりします。宇宙旅行の際は、速やかに帰還することになります。
太陽高エネルギー粒子や磁気圏プラズマ粒子の影響で、「プロトン現象」「地磁気擾乱」「放射線帯電子」のレベルが上がると、人工衛星の障害が発生することがあります。
宇宙天気が荒れると、オーロラが見られます。「地磁気擾乱」のレベルが非常に高くなると、日本でも、赤いオーロラが見られる可能性があります。
オーロラは、高度100km以上の超高層大気で生じる放電現象です。地磁気が乱れると、オーロラ活動が、活発になります。さらに、地磁気嵐が発生すると、日本でも、オーロラを見ることができます。
電離圏に乱れが生じると、人工衛星からの電波の到来時間から位置情報を得る測位機能の誤差が、大きくなることがあります。この測位誤差は、「太陽フレア」「電離圏嵐」の現象のレベルが上がると、大きくなります。
例えば、カーナビのGPSに誤差が生じたりします。
「地磁気擾乱」が起こると、地磁気が大きく乱れて、誘導電流が発生して、発電所の変圧器の加熱や保護リレーの誤作動が発生して、送電施設に障害が生じて、停電が起きることがあります。
例えば、1989年3月13日、カナダのケベック州で、大規模な地磁気嵐が発生して、約9時間大停電になり、約600万人に影響が出ました。また、2003年10月30日、スウェーデンのマルモで、電力網障害のため約1時間停電が起きて、約5万人が影響を受けました。
日本も、特に北海道などの高緯度地域で、送電施設のトラブルが発生することが危惧されています。
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