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【まとめ】空飛ぶクルマ保険〔航空保険・自動車保険〕

はじめに

空飛ぶクルマが、現実のものとなりそうです。保険は、「自動車保険」というよりは、ヘリコプターなどの「航空保険」に近いものになりそうです。自動運転との兼ね合いもあり、結論には、時間がかかりそうです。大阪・関西万博に間に合うと良いのですが。損保ジャパンとSkyDriveとの資本業務提携も。

目次

  1. 空飛ぶクルマの実用化状況
  2. 空飛ぶクルマの定義
  3. 保険について
  4. ヘリコプター遊覧の保険
  5. 航空機保険
  6. 大阪・関西万博
  7. まとめ
  8. 姉妹サイト
  9. 参考サイト

空飛ぶクルマの実用化状況

日本では、2018年に経済産業省と国土交通省が事務局となり「空の移動革命に向けた官民協議会」が立ち上がった。ロードマップの策定が開始され、法整備に関わる議論も始まり、2025年の大阪・関西万博での実用化を目指して急ピッチで開発が進められている。

2025年の実用化後は、まずタクシーのような利用から始まり、2030年代には一般家庭への普及も視野に入ってくるという。期待でワクワクが止まらないが、つい、いざ事故が起きたときの保険はどうなるのかということに思いが至った。

空飛ぶクルマの定義

空飛ぶクルマに明確な定義はないものの、国土交通省の資料によれば、日本では「電動」で「自動(操縦)」で「垂直離着陸」する移動手段がイメージされている。日本の国土の特徴を踏まえ、都市の渋滞を避けた通勤、通学や通園、離島や山間部での新しい移動手段、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送などでの活用が期待されているからだ。

このタイプの空飛ぶクルマは、諸外国では、垂直離着陸機はVTOL(Vertical Take-Off and Landing aircraft)と略称され、電動タイプは「eVTOL(イーブイトール)」と呼ばれている。

ヘリコプターと比べた場合、「電動」であることから部品点数が少なく、整備費用は安く、騒音は小さく、自動飛行との親和性は高い。また、「自動(操縦)」であることは、操縦士が不要になることから運航費用を安く抑えられる。加えて「垂直離着陸」できることにより、離着陸場所の自由度が高いというメリットがある。

2020年に有人飛行の公開試験に成功した日本の開発会社「SkyDrive」の話では、車2台分程度のスペースで大丈夫だという。

まずは、都市部での送迎サービスや離島や山間部での移動手段、災害時の救急搬送などの活用が期待されて進められているため、プライベートでの個人利用はまだ先の話だが、着実に実現化に向けて進められている状況だ。

保険について

ただ、気になるのは「保険」のことだ。いざ事故に遭ったとき、リスクの性格がいままでとは異なるため、現状の「自動車保険」では対応できないかもしれない。空を飛ぶなら「自動車保険」ではなく「航空保険」の範疇になるのだろうか。

東京海上日動火災

調べてみると、実証実験中のいまの段階から、すでに保険会社は動き出していた。たとえば、東京海上日動火災では、2019年3月から、「空飛ぶクルマ」の試験飛行や実証実験を行う企業向けに、機体に発生した損害を補償する機体保険や、機体または実験施設の所有、使用または管理に起因して発生した事故による賠償責任などを補償する商品を提供している。

東京海上日動火災

開発企業が安心して開発・実証ができる体制を、保険の面からサポートし、実用化に向けた最先研究開発を後押ししているという。そして今後の実用化にあたり、保険制度の構築や責任主体が不明瞭ななかでの被害者の救済制度をどうしていくかなどのさまざまな整備を分析・検討している段階だ。

三井住友海上火災

三井住友海上火災は、2020年から空飛ぶクルマの開発に取り組むドイツのボロコプターに出資する形で、保険の商品設計を進めている。また、2019年7月にJALと提携し、空飛ぶクルマの運航における確実な管理、保険およびリスクマネジメントの研究・開発等を協力して進める方針だ。

東京海上日動火災

A.L.I.Technologiesは、まもなく納車を開始する実用型ホバーバイク「XTURISMO Limited Edition」について、国内購入者向けに専用賠償責任保険を三井住友海上火災保険とともに開発したと発表した。

XTURISMOは、3次元空間の自由な移動を可能にする世界初の実用型ホバーバイク。2022年度中に国内外で順次納車を開始する。今回の専用保険は、国内個人ユーザーに無償付帯するという。

保険内容は、運転中に限定した対人・対物賠償リスクを補償するもの。運転中の賠償事故を対象とするオーダーメイド型の保険で、保険料はA.L.I.が負担する。賠償事故発生時の示談交渉サービスも付帯される。

あいおいニッセイ同和損害保険

あいおいニッセイ同和損害保険1

あいおいニッセイ同和損害保険は、アメリカの有力企業ジョビー・アビエーションに出資する形で、空飛ぶクルマの専用保険を検討中だ。同社では現在、自動車を安全に運航すると保険料を割り引く仕組みの自動車保険(テレマティクス保険)を展開しているが、そこで得られたノウハウを空飛ぶクルマにも活用するための検討に入っている。

あいおいニッセイ同和損害保険2

空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル

3社とも、2025年の大阪・関西万博での空飛ぶクルマの活用に向けて、大阪府が2020年11月に設立した「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」に参画。関係者間で精力的に協議や実証実験を重ね、国の官民協議会の議論に資する具体的な提案を行っている。

このように、保険会社は、すでに空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みの加速をサポートする形で関わっていた。そのような保険会社の動きを見ていれば、どのようなリスクがあるかも見えてきそうだ。

では、空飛ぶクルマには、自動車と飛行機のどちらの保険か適用されるのか。これまで日本国内でも、やはり、空飛ぶクルマは航空機に該当するか、新たなカテゴリーが必要なのかといった議論が進められてきたそうだ。

ちなみに直近の2021年5月21日に開催された「第7回 空の移動革命に向けた官民協議会」において、国土交通省がまとめた資料では、空飛ぶクルマは「人が乗って航空の用に供することから、航空法上の航空機として整理」される方向で検討されている

「空飛ぶクルマ」の保険も、それに沿うかたちで組成されていく見込みのようだ。どんな保険になるのか、まだまだ目が離せない。

ヘリコプター遊覧の保険

以下、ヘリコプタタークルージングのAirXの場合です。

万が一のときの保険はどうなってるの?

弊社が販売するプランで使用するヘリコプターは、全て「第三者乗客包括賠償責任保険」という航空保険に加入しています。保険料は機体のフライト料金の中に含まれていますので、追加でお支払いが発生することはありません。生命保険とは別ですので、別途必要な場合はお客様で任意の保険に加入してください。

第三者乗客包括賠償責任保険とは

事故が起きた際、機体の損害だけでなく、外部に与えた損傷、乗客に与えた傷害などにかかる補償です。入院時の医療費や、死亡保険(死亡時約3000万円)も包括されています。機体にもよりますが、総額で数十億の補償となっております。申し込み時に提供いただく名前、連絡先などの情報はこちらの保険への加入条件となっておりますので、必ず事前にご登録いただきますようお願いいたします。

航空機保険

東京海上日動の航空機保険の約款は、以下のようになっています。

航空機保険

大阪・関西万博

エアタクシーが実際に日本の空を飛ぶ契機となるのが大阪・関西万博で、本格的な商用運航の様子を世界に初披露する計画だ。会場の人工島・夢洲と大阪国際空港(伊丹空港)、大阪市内、淡路島などとを結ぶ8路線を検討中。事業化を視野に入れて子会社そらとぶタクシーを設立した大宝タクシーによると、大阪市内と夢洲間とを10〜15分で結び、料金は1万5000〜2万2500円と試算する。実現すれば、約30分かかるタクシー(料金は6000円程度)に比べて、半分の時間で移動できる。

運行事業者

2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展する空飛ぶクルマの運行事業者5社と、会場内ポート運営1社を発表した。

運行事業者は、ANA及びJoby Aviation、JAL、丸紅、SkyDriveの5社。万博会場内ポート及び会場外ポートをつなぐ2地点間での空飛ぶクルマの運航の実施を目指すもので、関係自治体や国の関係機関の協力を得て、具体的な取り組みを行なっていく予定。

Joby Aviation

ANA及び米Joby Aviationは、Jobyが開発した電動エアモビリティ「eVTOL Joby S-4」を運行。静粛性に優れた5席仕様の機体とし、海外機として初めて日本の型式認証の申請を行なっている。

VoloCity

JALは独Volocopterの機体「VoloCity」を運行。2人乗りマルチコプター型の電動垂直離着陸機で、都心部と郊外、空港などを結ぶ新しい交通ネットワークを担うことが期待されている。Volocopterは海外での試験飛行の実績を重ねており、2024年にはフランス・パリ、シンガポール等にて商用運航が予定されている。

VoloCity

丸紅は、英Vertical Aerospaceが開発した「VX4」を運行。丸紅は、VX4運航事業の早期実現を目指し、これまでに一部機体代金の支払いを実行し、25機分の購入予約権を取得。空飛ぶクルマ社会実装に向けた実証実験の一つとして「空飛ぶクルマが叶える“未来型旅行体験”モニターツアー」も実施している。

VoloCity

SkyDriveは、現在設計開発中の空飛ぶクルマ「SD-05」を運行予定。2人乗り(乗客1名とパイロット1名)で、パイロットが操縦するが、コンピュータ制御により飛行を安定させるという。日本で初めての国土交通省の型式証明取得を目指しており、事業開始の皮切りとして、2025年の大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現を目指している。

まとめ

空飛ぶクルマの保険は、ヘリコプターの保険に近いものになりそうです。

空飛ぶクルマは、最初は、ドライバーが同乗するのではないかと思われます。そして、いずれは、一般のドライバー、さらには、乗客のみの自動運転となるのではないかと予想されます。

その段階ごとに、保険の内容も変わってくるでしょう。

大阪・関西万博の時も、乗る前に保険手続きがあるかも知れませんね。

姉妹サイト

自動運転車 電気自動車 空飛ぶクルマ 電動キックボード 自転車

参考サイト

  1. 実用化が加速する空飛ぶクルマ、保険は自動車用か航空機用か?|Forbes
  2. 【FAQ】ヘリコプター遊覧に保険は組み込まれていますか?|AIROS Heliday by AirX
  3. 航空機保険の約款|東京海上日動
  4. 大阪・関西万博「空飛ぶクルマ」4機種が決定|Impress Watch

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