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【図解】量子ビットチップ素子の構造とは?簡単にわかりやすく

はじめに

量子コンピュータの量子ビットチップ素子の構造について、簡単にわかりやすく解説しました。ここでは、特に、量子ビットをシリコンチップに実装する場合について説明します。

量子ビット(ドット)素子の構造

シリコンチップへの実装

量子コンピュータの量子ビット(ドット)素子には、光を用いるもの、液体分子を用いるもの、超伝導回路を用いるものなどがあります。

ここでは、古典コンピュータに近い、シリコンチップへの量子ビットの実装について解説します。

量子ビットチップの概観

シリコン基板に酸化膜を皮膜し、その上にアルミニウムの電極や回路を載せてあります。

素材や構造は、思いのほか、普通のICチップと変わらず、MOS技術によって、作成されます。

量子ビット(ドット)素子の構造

電子顕微鏡写真

量子ビット素子を上から見た電子顕微鏡写真です。

電子顕微鏡写真
①量子ドット構成用電極

G1〜G4及びCの電極は、電子ドットという電子を閉じ込めるための一種の箱になります。

中でも、電極G4は、電子ビットのデータを初期化したり、読み出したりします。

②量子ドット

量子ドットという一種の箱であって、電子(青い球で図示)を閉じ込めています。

量子ビットとしてのデータは、この電子の「スピン」によって表現されます。

③貯蔵電極

緑の電極Rは、電子の貯蔵庫を表しています。

先の電子は、この電極から供給されます。

④単電子トランジスタ

単電子トランジスタ(SET:Single Electron Transistor)という回路を構成しています。

この回路に電流が流れるかどうかを検出して、スピンの観測、つまり、量子ビットのデータ読み出しを行います。

⑤データ書き込み/演算用回路

この回路に、交流電流を流すことによって、量子ビットへのデータの書き込みや演算を行います。

⑥外部磁場

チップ全体に、1.4テスラという強力な磁場がかけられています。

希釈冷凍器

量子チップは、熱雑音に弱いため、希釈冷凍器に入れられて、50ミリケルビンという、ほとんど絶対零度の超低温状態に保たれています。

ちなみに、希釈冷凍器の価格は、億単位で、量子コンピュータの値段の高騰の一因になっています。

昔の古典コンピュータと同じようなもので、価格は、どんどん下がっていくでしょう。

参考サイト

  1. 不確定な世界

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