量子コンピュータとスーパーコンピュータとの違いについて、比較表を中心に簡単にわかりやすく説明しました。「メリット/デメリット」「分類」「歴史」にも言及。
スーパーコンピュータと量子コンピュータには、以下のような違いがあります。
項目 | スーパーコンピュータ | 量子コンピュータ |
目的 | 高度な数値計算や データ処理のすべて | 限られた目的に 大きな力を発揮 |
演算単位 | 0 or 1 (ビット) | 0 and 1 (量子ビット) |
計算方法 | すべての入力に対して毎回計算 | 重ねあわせ状態を 利用して一括計算 |
メリット | 既存技術を活用/汎用性の高さ | 特定のタスク、問題を高速に処理できる/ 電力消費量が少ない (超電導技術を使う場合) |
デメリット | 消費電力が大きい/ 微細加工技術の限界/ 入力数が増えると、計算コストが増加 | 製造や制御が難しい (量子状態の維持が困難) |
将来 | 今後も使い続けられるが、性能 向上の度合いは、鈍化する可能 性有り | 限られた問題に対して実用化が 進展、高速化が期待されている |
スーパーコンピュータは、古典コンピュータの一種です。
項目 | 量子コンピュータ | 古典コンピュータ | ||
方式 | 【汎用型】量子ゲート方式 | 【特化型】イジングモデル方式 | ||
量子アニーリング方式 | レーザーネットワーク方式 | シミュレーション方式(量子インスパイアード方式) | ||
適用領域 | 汎用的な計算を実現 | 組み合わせ最適化問題に特化 | ||
環境 | 極低温/超高真空 | 常温/常圧 | ||
ハード | 超伝導量子回路 | 光パラメトリック発振器 | 従来の半導体 | |
主な推進組織 | IBM/Google / Microsoft/Intel/ Alibaba/Q-Leap | D-Wave /QEC/ NEC/NEDO | NTT/NII(国立情報学研究所) /量子人工脳 | 富士通/日立/ 東芝/NEC |
規模(商用化) | 53ビット (IBM) | 2,048ビット (D-Wave Systems) | 2,000ビット (NTT&NII共同開発) | 8,192ビット以上 |
2019年、Google社を中心とする研究グループは、当時の世界最速のスーパーコンピュータが、1万年を要する計算を、同社の量子コンピュータが、3分20秒で実行したことを発表しました。
しかも、スーパーコンピュータの半導体素子は、1京子を超えていたのに対して、量子コンピュータの量子素子数は、たったの53個だったのです。
コンピュータ名 | 構成 | タイプ | 計算時間 |
量子コンピュータ「シカモア」 | 量子チップ1個(0.2ミリ角の超伝導素子53個) | 量子アニーリングマシン | 3分20秒 |
スーパーコンピュータ「サミット」 | 10ペタバイトのメモリー(素子数は1京個超) | ノイマン型コンピュータ | 1万年 |
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