「脱炭素」は、一言で言えば、「二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」ことです。
それを実現した社会を「脱炭素社会」と言います。
「カーボンニュートラル」は、一言で言えば、「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる」ことです。
つまり、「脱炭素」=「カーボンニュートラル」なのです!
両者とも、温室効果ガスの排出をゼロにはしません。あくまでも、排出はするけれども、それを吸収する手段を設けて、プラスマイナスゼロにするのです。
ただし、「脱炭素」を英語で書くと、「Decarbonization」となりますが、「炭素の排出をゼロにする」という意味になってしまいます。「脱炭素」は、あくまでも、排出を「実質ゼロ」にすることです。したがって、英語で書くことは、あまり推奨しません。どうしても、英語で書きたければ、「reduce carbon emissions」や「carbon emissions reduction」と書くと良いでしょう。「炭素の排出を減らす」という意味です。
日本語 | 英語 | 読み方 | 意味 |
脱炭素 | Decarbonization | ディカーボナイゼイション | 温暖化ガスの排出が実質ゼロ |
カーボンニュートラル | Carbon Neutral | カーボン・ニュートラル | 温暖化ガスの排出量と吸収量が均衡 |
脱炭素社会 | decarbonized society | ディカーボナイズド・ソサイエティ | 脱炭素が実現された社会 |
脱炭素化 | decarbonizing | ディカーボナイズィング | 企業、産業、国の炭素排出量を削減するプロセス |
企業間で二酸化炭素(CO2)の排出量を取引する「カーボン・クレジット市場」の実証事業が22日、東京証券取引所で始まった。温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(脱炭素)」の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入などで削減した分を売買する。
実証事業は経済産業省の委託で行われる。電力や金融、製造など幅広い業界から145社・団体が参加。再エネや省エネ機器の導入のほか、森林整備による吸収分を削減量として国が認証する「J―クレジット」を実際に売買する。初日はCO21トンあたり1600~1万円で取引された。
2022年9月23日:朝日新聞
脱炭素バブルにならないことを祈ります。
環境保護団体グリーンピースは8日、世界の主要自動車メーカー10社の気候変動対策を調査したランキングを発表した。トップは米ゼネラル・モーターズ(GM)で、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の日本車大手3社はワースト3だった。
同団体は公開情報をもとに、2021年の電気自動車(EV)など温室効果ガスを出さないゼロエミッション車(ZEV)の総販売台数に占める割合、ガソリンエンジン車など内燃機関車の生産中止計画の有無、サプライチェーンでの再生可能エネルギー導入目標や鉄鋼の脱炭素化への取り組みなどを評価し、点数化した。
指標として、1)内燃機関車の段階的廃止(スコア配分は77%)、2)サプライチェーンの脱炭素化(同18%)、3)原材料など資源の節約や効率化(同5%)──の3つを用い、各社の気候変動対策を総合評価した。
日本勢は日産が8位(13.4点)、ホンダが9位(12.8点)、トヨタが10位(10.0点)。日産とホンダはZEVへの移行が遅れていることや気候変動目標が不十分だとして昨年のランキングから順位を3つ下げた。トヨタは2年連続で最下位。
2022年9月8日:REUTERS
日本の自動車産業の行く末を案じています。
コンブなどの海藻やマングローブなど海の生態系が二酸化炭素を吸収するのです。こうして吸収された二酸化炭素は“ブルーカーボン”と呼ばれ地球温暖化対策として注目されています。
私たちがよく知っている森林などが吸収する二酸化炭素を“グリーンカーボン”と呼ぶのに対し、海の生態系を活用するのが“ブルーカーボン”。大気中の二酸化炭素が、光合成によって海の中の海藻などに吸収され、炭素として蓄えられます。
日本の海岸線は岩場が多く海藻などが生えやすい環境にあるのでブルーカーボンを利用するには非常に有利な状況にあると期待されています。政府が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げる中、海の環境を整え二酸化炭素の吸収につなげようという動きが進んでいます。
2022年8月25日:NHK
海の多い日本では、とても有効な手段ですね。
環境に配慮した商品がどのくらい二酸化炭素の削減につながっているのかをマークで表示して消費者に知ってもらおうという取り組みが始まり25日、都内で発表会が行われました。
このなかでは、環境に配慮して作られた商品が従来の素材や手法で作られたものに比べて二酸化炭素の排出量をどのくらい削減したのかを原材料や輸送手段、製造工程などの情報をもとに算出する仕組みが紹介されました。
算出された二酸化炭素の削減率は独自のマークを使って、売り場に掲示したり商品のタグにつけたりして消費者が買い物する際の参考にしてもらうことにしています。
マークを利用するには一定の手数料が必要になりますが、25日の時点では、廃材でカバンを製造するメーカーやコーヒーの販売会社など国内のおよそ30社が参加しているということです。
2022年7月25日:NHK
脱炭素の度合いがわかりやすくて良いですね。
9月28日、日産自動車及び山形日産自動車、日産プリンス山形販売は、南陽市(山形県)と電気自動車を活用した「脱炭素化及び強靭化に関する連携協定」を締結した。
この協定は、「走る蓄電池」となる電気自動車(EV)の普及や脱炭素化の推進と同時に、南陽市で災害による停電が発生した際、日産の販売会社から貸与するEV「日産リーフ」等を電力源とした災害時の電力供給体制の構築を目的とした協定で、ゼロ・エミッション社会の実現を目指す日産の「ブルー・スイッチ」活動としては191件目の取り組みとなる。
日産自動車は、EVならではの新たな価値やワクワクを提供し続けるとともに、2018年5月より、EVの普及を通じて、脱炭素、災害対策、エネルギーマネジメント、観光、地方での交通課題などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を、全国の自治体や企業、販売会社とともに推進している。また、2030年代早期には、主要市場で投入する新型車すべてを電動車両にすることを宣言、電動化をリードしながら、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速している。
2022年9月28日:MF
官民の提携からスタートですね。
大阪府とパナソニック エレクトリックワークス社は9月26日、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化推進において、連携協定を結んだと発表した。大幅な省エネルギー化を実現するZEBの理解促進や導入推進に向けた取り組みを実施する。
ZEBとは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支ゼロを目指した建物のこと。パナソニックでは、ZEB実現に向けた相談窓口を持ち、建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティングなどの業務を支援する「ZEBプランナー」に登録しており、現在、30件以上のプラニングを支援している。
2022年9月28日:CNET
官民の連携も進んでいます。
名古屋スバル自動車(本社名古屋市北区落合町233、小笠原巧社長、電話052・901・8611)は10月以降、本社や店舗、整備工場で使用する電気を、水力や太陽光といった再生可能エネルギー(再エネ)で発電した「二酸化炭素(CO2)フリー電気」に切り替える。同社が統括する岐阜スバル自動車(本社岐阜市)と三重スバル自動車(本社津市)も同様に導入する。自動車販売会社の導入事例は中部でも珍しい。脱炭素社会の実現に向けて、販売活動でのCO2の排出削減を目指す。
2022年9月26日:中部経済新聞
未来は、どこの会社もこうなっているのかも知れませんね。
日本製鉄が二酸化炭素(CO2)排出ゼロを証明した鉄鋼製品の販売に乗り出す。まずはモーター用電磁鋼板を電炉で量産。製造工程で削減したCO2を各販売品目に割り当てる。脱炭素と高品質の両立で販売価格を引き上げるが、課題は顧客にどこまで割り増す価値を認めてもらうかだ。
2022年9月21日:日経ビジネス
製鉄会社は、脱炭素の課題が山積です。
恵那市(岐阜県、市長:小坂 喬峰)、日本ガイシ株式会社(代表取締役社長:小林 茂、本社:愛知県名古屋市)、株式会社リコー(社長執行役員:山下 良則、本社:東京都大田区)、株式会社IHI(代表取締役社長:井手 博、本社:東京都江東区)は、地域新電力会社の恵那電力株式会社(本社:岐阜県恵那市)の再生可能エネルギー(再エネ)による発電および売電事業を通じて恵那市が得た環境価値(※1)を、経済的に有償な価値(以下「クレジット」)に変換し利用する脱炭素・経済循環システムの実証事業を2022年10月から開始します。創出されたクレジットを恵那市内で活用し、市外からの資金還流を生み出す仕組みも構築し、地域経済の活性化、さらなる再エネ導入拡大のサイクルを回し、恵那市のゼロカーボンシティ実現に貢献します。
2022年9月20日:リコー
ゼロカーボンシティに期待したいところです。
アシックスとミズノは、温室効果ガス排出量を抑えたシューズをそれぞれ開発した。材料調達・製造、輸送、使用、廃棄の各段階で環境負荷が低減できるよう工程を見直した。環境意識が高い消費者に売り込む。
アシックスはスニーカー「GEL―LYTE Ⅲ CM1・95」を2023年に発売予定。1足当たりの排出量は二酸化炭素(CO2)換算で1・95キログラム。材料調達・製造において従来比8割の排出量削減を実現した。ミッドソールと中敷にサトウキビ由来の材料を配合。サトウキビの成長過程でのCO2吸収量が削減要素となる。
ミズノは「WAVE NEO COLLECTION」ブランドでCO2排出量を最大2割削減したランニングシューズを発売した。植物由来材料などを採用。消費税抜きの価格は2万円で初年度5万足の世界販売を目指す。米国ジョージア州で1―2月に約10万本を植林しており、1足に2本の計算でカーボンオフセットとする。
2022年9月19日:ニュースイッチ
色々な分野で、脱炭素の動きがあります。
長崎県西海市にある造船工場に出現した高さ54メートルの巨大な白い物体。
国際的な物流を担う海運大手の商船三井と長崎県にある大島造船所が共同で開発した最新型の「帆」です。
帆と聞くと、船の柱に布を張ったものをイメージすると思いますが、新たに開発した帆は風を受けても変形しません。造船業界では「硬翼帆(こうよくほ)」と呼ばれ、この帆を大型商船に搭載します。風の有無によって、張ったりゆるんで形が変わったりする布の帆よりも風の取りこぼしが少ないうえ、ロープを使って柱に帆を張るといった船員の手間も省けるのがメリットだとされています。
ことし10月には海外から日本に石炭を運ぶばら積み船に搭載され、実際に運航を始める予定です。メインの動力である重油だきのディーゼルエンジンだけでなく、風からも推進力を得る仕組みで、燃費の向上と温室効果ガスの排出削減につなげるねらいです。
2022年9月16日:NHK
面白い発想ですね。
ホンダは13日、全ての二輪車について、2040年代に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指すと発表した。まず25年までに世界で電動二輪車を計10モデル以上投入する。既に電動化の方針を打ち出している四輪に続き、二輪でも脱炭素化の環境対応を加速させる。
現在は年10万~20万台程度で推移している二輪電動車販売を、今後5年以内に年100万台まで引き上げる。30年には総販売台数の約15%に当たる年350万台にする計画だ。
竹内弘平副社長は「電動化を中心に、世界トップメーカーのプレゼンスを維持していく」と話した。
2022年9月13日:KYODO
電動二輪車は、家庭用のコンセントで充電できるそうです。
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