しわ取り薬「ボトックス」致命的な筋肉まひを引き起こす副作用について警告。米国の消費者保護団体パブリック・シチズンは、しわ取り薬「ボトックス」とそれに類似する製剤のメーカーに対し、致命的な筋肉まひを引き起こす副作用について警告表示を強めるよう求める請願書を食品医薬品局(FDA)に提出しました。日本では、ボトックスの製造販売承認薬は、2009年に厚生労働省から承認された「ボトックスビスタ®」のみです。この製剤は、米国の医療機器メーカー「アラガン社」が製造・販売しています。
米国の消費者保護団体パブリック・シチズンは、しわ取り薬「ボトックス」とそれに類似する製剤のメーカーに対し、致命的な筋肉まひを引き起こすリスクについて警告表示を強めるよう求める請願書を食品医薬品局(FDA)に提出しました。
これらの注射剤は、ボツリヌス毒素を使用して特定の神経信号を遮断することによって特定の筋肉を収縮させ、しわを消すものです。既にラベルには意図した効果が他の部位に広がる危険性について警告が記載されていますが、同団体は推奨用量であっても副作用が起こり得ることを明確にするよう求めたものです。
今回の請願では、市場をリードするボトックスを手がけるアッヴィのほか、レバンス・セラピューティクス、エボラス、スーパーナス・ファーマシューティカルズ、ガルデルマ、メルツ・セラピューティクスの製剤ラベルにより強い警告を表示するよう求めているとのことです。
FDAは請願書を検討し、パブリック・シチズンに直接回答するとしています。
このニュースのポイントは、以下のとおりです。
この請願が認められた場合、ボトックスと類似する製剤の安全性に関する情報の提供が強化されることになります。
日本でもボトックスは広く使われています。主な用途は、以下のとおりです。
美容目的でボトックスを使用する場合、主に顔面の筋肉を動かさないようにすることで、シワや表情の癖を改善します。具体的には、眉間のシワ(おでこジワ)、目尻のシワ(目尻ジワ)、ほうれい線、口角のシワ(マリオネットライン)などに用いられます。また、小顔や二重整形にも用いられることがあります。
医療目的でボトックスを使用する場合、主に筋肉の過剰な収縮を抑えることで、症状を改善します。具体的には、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣などの眼や顔のけいれん、痙性斜頸などの首のけいれん、多汗症などの汗の過剰分泌などに用いられます。
日本では、ボトックスの製造販売承認薬は、2009年に厚生労働省から承認された「ボトックスビスタ®」のみです。この製剤は、米国の医療機器メーカー「アラガン社」が製造・販売しています。
なお、米国で提出された請願書が日本でも認められた場合、日本国内で販売されているボトックスについても、致命的な筋肉まひを引き起こすリスクについて、より強力な警告表示がされる可能性があります。
「ボトックスビスタ®」の副作用は、主に以下の通りです。
致命的な筋肉まひのリスクは、非常に稀ですが、ゼロではありません。そのため、ボトックスを使用した場合には、これらの副作用の可能性について、医師や看護師から十分な説明を受けてから、治療を受けるようにしましょう。
なお、米国で提出された請願書は、ボトックスと類似する製剤の致命的な筋肉まひのリスクについて、より強力な警告表示を求めるものです。この請願が認められた場合、日本国内で販売されている「ボトックスビスタ®」にも、同様の警告表示がされる可能性があります。
筋肉を収縮させてシワを取るということで、かなりのリスクがあります。
あまり多用しないようにすべきでしょう。