東京都で、住宅などへの太陽光パネルの設置が、義務化されることになりました。2025年4月からです。そこで、このニュースと一般家庭の発電量、設置費用の相場、メリット/デメリット、発電の仕組みなどについて概説します。
2021年頃から、太陽光パネル設置の義務化の話は、出ていました。
2022年5月24日、東京都は、新築住宅に太陽光パネル設置を義務付ける方針を固めました。
2022年8月3日の環境審議会の条例改正検討会では「企業努力を市場が評価する制度。健全な競争につながる」「エネルギーを自ら創り賄っていく時代の要請に応える」といった声がある一方、「都民、事業者の関心が高いだけに制度への理解を一層進めるべきだ」との指摘も相次ぎました。
東京都は2025年4月から、都内で新築する戸建て住宅に太陽光パネル設置を義務化する方針を固めた。12月の都議会に関連条例の改正案を提出。条例可決後、2年間の周知期間を経て施行する。事業所や工場など一定規模の新築物件に設置を義務付ける例はあるが、戸建て住宅を対象とするのは全国初となる。
2022年12月15日に開かれた都議会の本会議では、2025年4月から都内に新築される住宅に太陽光パネルの設置を義務化するための条例の改正案の採決が行われました。その結果、改正条例は都民ファーストの会や公明党、共産党、それに立憲民主党などの賛成多数で可決・成立しました。都議会第1党の自民党などは「太陽光発電は推進する立場だが、現時点で義務化は都民に十分に理解されておらず、納得してもらえる状況にない」などとして反対しました。
15日に開かれた都議会の本会議では、2025年4月から都内に新築される住宅に太陽光パネルの設置を義務化するための条例の改正案の採決が行われました。その結果、改正条例は都民ファーストの会や公明党、共産党、それに立憲民主党などの賛成多数で可決・成立しました。都議会第1党の自民党などは「太陽光発電は推進する立場だが、現時点で義務化は都民に十分に理解されておらず、納得してもらえる状況にない」などとして反対しました。
この条例は大手住宅メーカーを対象に、太陽光パネルを設置できる新築住宅の数や、日当たりの条件などから算出された発電容量の目安の達成状況を毎年、都に報告することを義務づけるもので、全国で初めて成立しました。
本会議では、一般会計の総額が1100億円余りの補正予算も可決・成立し、義務化に向けて、メーカー側が設計や施工の技術を向上させる取り組みを支援する費用や、条例の内容に関する相談窓口の設置や啓発事業などとしておよそ300億円が盛り込まれました。
2022年12月15日:NHK
いよいよ本格的に動き出すという感じですね。
東京都が議論を重ねてきた、住宅などの中小新築建物への太陽光パネルの設置義務化。条例改正の答申素案がまとまり、制度化に向けた手続きが本格化する。義務化の対象や供給面での懸念から、賛否を二分したが、都は柔軟性ある制度設計や情報提供の充実を通じて理解の醸成を図ってきた。今後は都議会での議論に焦点が移る。
太陽光パネルの義務化の対象は延べ床面積2000平方メートル未満の住宅など。新築・増築時の設置義務化は京都府および京都市がすでに実施するが、都の制度は建築主や購入者ではなく、発注を受ける住宅メーカーなど事業者に設置義務を課す点に特徴がある。事業者は日照などの立地条件をクリアした建物全体で設置基準を達成する。都内での年間着工戸数の半数程度が義務化の対象と見込まれる。
ポイントは事業者に設置義務が課されるものの、住宅購入者は太陽光パネルを設置するかどうか選択できる点だ。事業者が住宅購入者すべてにパネル設置を推奨する義務が課されるイメージに近い。
住宅価格の上昇懸念に対して都は、出力4キロワットのパネルを設置する場合の初期費用とされる92万円程度は光熱費削減効果や売電収入によって10年で回収可能と試算。太陽光発電は燃料費高騰の影響を受けないため、今後も電気料金の上昇が続けば、発電した電気を自宅で使うほど経済的になる。
ニュースイッチ
結局、住宅購入者が選べるので、一安心です。
昨今のエネルギー事情を鑑みると、意外に多くの方が、設置するものと思われます。
太陽光パネルを大量生産・大量販売できるので、コストは、どんどん下がるでしょう。
太陽光パネルは、国内メーカーのシェアが高いので、日本の産業にもプラスになります。
一般家庭の太陽光発電で使われるソーラーパネルの多くは、システム容量が3~5kW程度となっています。
家庭用の太陽光発電では、屋根の上に載せられるソーラーパネルの量や、家庭内での電気の使用量、設置費用などにより発電容量が決まります。
なお、家庭用(住宅用)のソーラーパネルのシステム容量は10kW未満と決められていて、10kW以上のものは産業用(事業用)です。
特に、広大な土地にソーラーパネルを大量に並べて発電する「メガソーラー」のシステム容量は1,000kW以上で、家庭用とは規模が異なります。
一般家庭の電気使用量の平均は年間4,300kWh程度ですから、ソーラーパネルのシステム容量1kWあたり年間1,000kWhとすると、4.3kW分のソーラーパネルを設置すれば、おおよそ年間の消費量分の電力を発電できることになります。
蓄電池があれば、昼に溜めた電力を夜間や災害時などに使うことができます。
項目 | 1kwあたりの費用 |
太陽光パネル費 | 150,000円 |
パワーコンディショナ費 | 50,000円 |
工事費 | 70,000円 |
架台費 | 20,000円 |
その他 | 3,000円 |
太陽光発電の設置費用は、この10年間で約4割低下していて、2020年の平均が1kWあたり28.6万円、過去の推移から推定される2021年の設置費用想定値が27.5万円となっています。
家庭用のソーラーパネルは3~5kWが多いため、2021年時点でのシステム設置費用の相場は82.5万円~137.5万円程度と言えるでしょう。機器のメーカーや住宅によって費用は変わります。特に設置する屋根の面数が増えたり、設置するために足場が必要になったりすると手間が増えるため費用は高額になります。
ほかにも太陽光発電の設置費用に影響すると思われるのが、ソーラーパネルの屋根への固定方法です。
固定方法には、屋根の垂木にビスを打ち込む「垂木固定」や、野地板にビスを打ち込む「野地板固定」などがあります。雨漏りや風圧の影響などがないように、屋根の形状やソーラーパネルの種類などに合った工法が選択されますが、それぞれかかる費用は異なります。
太陽光発電とは、太陽の光を利用して電気を作る発電方法です。具体的には「太陽電池」をたくさん集めた「ソーラーパネル」を使用して電気を作ります。
太陽電池とは、電力を蓄える一般的な「電池」ではなく、太陽光エネルギーを電力に変換する「発電機」のことです。
太陽の光が太陽電池に当たると、「光電効果(こうでんこうか)」と呼ばれる現象が起こります。
太陽電池は、「n型半導体」と「p型半導体」という2種類の半導体をはり合わせて作られています。
太陽電池に光が照射されると、n型半導体にはマイナスの電気を帯びた「電子」が、p型半導体にはプラスの電気を帯びた「正孔(せいこう)」が集まり、プラス極とマイナス極が形成されるのです。
すると、電子が導線を伝わって移動するようになるため電気の流れが生じます。これが太陽光発電で電気を発生させる仕組みです。
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