電気を作る方法には、火力発電、水力発電、太陽光・風力・地熱発電、原子力発電などがあります。
火力発電は燃料を燃やした熱で水から蒸気をつくり、この蒸気を発電機につながった巨大なタービンに勢いよくぶつけて回すことで電気をつくっています。
火力発電は、大量の電気をつくることができ、発電する量も調節しやすいという長所があります。 ただし、燃料は、石油・石炭・天然ガスといった限りある地球の資源なので、いつかはなくなってしまうと考えられています。また、燃料を燃やすと、地球温暖化の原因になる二酸化炭素が出てしまいます。
水力発電は、水が高いところから低いところへ落ちる力を利用して、発電機につながった水車を回して電気をつくります。川の水をそのまま落とす方法と、ダムをつくって川の水をためてから落とす方法があります。
水力発電は燃料費がかからず、発電のときに二酸化炭素も出しません。でも、雨や雪が少ないとダムの水が減り、発電ができなくなることもあります。また、昔からダムの開発がすすめられてきたため、 もう大きな水力発電所をつくれる場所はほとんどなく、これからは川辺に水車を置くなど小さな水力発電が増えると考えられています。
太陽光発電は、太陽光パネルという装置にあたった光を電気に変えるしくみです。家の上に乗せる小規模なものや、広大な土地を使う大規模なものがあります。
風力発電は、青森県でも盛んに行われています。風があたると大きな羽根(プロペラ)が回り、羽根につながっている発電機が動くしくみです。
太陽光発電や風力発電は、発電するときに二酸化炭素を出さない長所がありますが、安定した発電ができません。太陽光発電は雨の日や夜間、風力発電は風が弱いときには、効率よく発電ができず、つくる電気の量が少なくなってしまいます。また、たくさんの電気をつくるには広い土地も必要で、発電のためにかかる費用が高くなります。
地熱とは地球内部の熱のことで、この熱でつくられている地下の熱水や蒸気を地上へくみ上げて、火力発電と同じように、発電機につながったタービンを回します。地熱発電は、安定した発電ができますが、地熱が使える場所の近くには火山や自然公園などがあることが多く、新しい発電所をつくれる場所は限られています。
最後に原子力発電のしくみを見てみましょう。原子力発電では、ウラン燃料を使って電気をつくります。 ちょっと難しいかもしれませんが、核分裂という反応で出てくる熱を使って、火力発電と同じように蒸気をつくり、蒸気の力で発電機につながったタービンを回しています。
ウラン燃料は小指の先くらいの大きさですが、これ1個で皆さんの家庭で使う電気の6~8か月分をつくることができます。また、再生可能エネルギーと同じように、発電のときに二酸化炭素を出しません。 さらに、一度発電に使い終わった後も、燃料をリサイクルすることができます。
ただ、ウラン燃料は放射線を出す物質(放射性物質)なので、しっかりと閉じ込めるなど、厳しく管理する必要があり、発電所ではいろいろな対策をしています。
2011年3月に大地震があり、福島県にある原子力発電所で事故が起こりました。それより前は、日本では火力発電で約65%、水力発電や再生可能エネルギーの発電で約10%、原子力発電で約25%の電気をつくっていました。 事故の後、全国の原子力発電所は安全対策を強化するために運転を停止しました。そのため、原子力発電でつくられていた分の電気を火力発電でつくる必要があり、 一時は火力発電が約89%にもなりました。原子力発電はその後、国が決めた安全基準に合格したものから運転を再開しています。
エネルギー資源の少ない日本が、安心して電気のある生活をするためには、安全に電気をつくることを大前提〔Safety〕に、3つのことを考える必要があります。
日本では、なにかひとつのエネルギーに頼るのではなく、さまざまなエネルギーをバランスよく使っていくことにしています。これを「エネルギーミックス」といいます。2030年度の目標では、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーを36~38%程度に、安定的な電力である原子力発電を20~22%程度に、二酸化炭素を排出する火力発電は41%程度に減らし、新たに水素・アンモニア発電を1%程度導入する、ことを目指すこととされています。また、原子力については、発電で使い終わったウラン燃料をリサイクルして有効に使う「核燃料サイクル」もすすめていくことにしています。
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