電気自動車(EV)の車検項目・費用・どこでについて概説しました。車検項目は、ガソリン車よりも少なく、費用も少なめです。ディーラーで車検を受けるよりも、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンド、車検専門店の方が、割安です。
「自家用乗用自動車等の定期点検基準」と「自家用乗用自動車等のEVに特化した 定期点検基準(案)」の比較です。
EVの車検項目は、以下のように、ガソリン車に比べて、少なめです。
車検項目 | 詳細 | EVの車検項目 |
かじ取り装置 | ||
ハンドル | 操作具合 | 設定 |
ギヤ・ボックス | 取り付けの緩み | 設定 |
ロッド及びアーム類 | 緩み、がた、損傷 / ボール・ジョイントのダスト・ブーツの 亀裂と損傷 | 設定 |
かじ取り車輪 | ホイール・アライメント | 設定 |
パワー・ステアリング装置 | ベルトの緩みと損傷 / 油漏れ、油量 / 取付けの緩み | 設定 |
制動装置 | ||
ブレーキ・ペダル | 遊び、踏み込んだときの床板とのすき間 / プレーキの効 き具合 | 設定 |
駐車ブレーキ機構 | 引きしろ(踏みしろ) / ブレーキの効き具合 | 設定 |
ホース及びパイプ | 漏れ、損傷及び取付状態 | 設定 |
マスタ・シリンダ、ホイール・シ リンダ及びディスク・キャリパ | 液漏れ / 機能、摩耗、損傷 | 設定 |
ブレーキ・ドラム及びブレー キ・シュー | ドラムとライニングとのすき間 / シューの摺動部分および ライニングの摩耗 / ドラムの摩耗及び | 設定 |
ブレーキ・ディスク及びパッド | ディスクとパッドとのすき間 / パッドの摩耗 / ディスクの摩耗及び損傷 | 設定 |
走行装置 | ||
ホイール | タイヤの状態 /ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩 み /フロント・ホイール・ベアリングのがた / リヤ・ホイー ル・ベアリングのがた | 設定 |
緩衝装置 | ||
取付部及び連結部 | 緩み、がた、損傷 | 設定 |
ショックアブソーバ | 油漏れ及び損傷 | 設定 |
動力伝達装置 | ||
クラッチ | ペダルの遊び、切れたときの床板とのすき間 | 対象外 |
トランスミッション及びトランス ファ | 油漏れ、油量 | トランスアクスル及びト ランスファ |
プロペラ・シャフト及びドライブ・ シャフト | 連結部の緩み / 自在継手部(ユニバーサル・ジョイ ント)のダスト・ブーツの亀裂と損傷 | 設定 |
デファレンシャル | 油漏れ、油量 | 設定 |
電気装置 | ||
点火装置 | 点火プラグ(スパーク・プラグ)の状態 / 点火時期 / ディストリビュータのキャップの状態 | 対象外 |
バッテリ | ターミナル部の接続状態 | バッテリ(補機用) |
電気配線 | 接続部の緩み及び損傷 | 設定 |
原動機 | 電気装置又は原動機(電動機)における冷却装置 | |
本体 | 排気の状態 / エア・クリーナ・エレメントの状態 | 対象外 |
潤滑装置 | 油漏れ | 対象外 |
燃料装置 | 燃料漏れ | 対象外 |
冷却装置 | ファン・ベルトの緩みと損傷 / 水漏れ | ファン・ベルトの緩みと損傷 :対象外 水漏れ:設定 |
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置 | ||
ブローバイ・ガス還元装置 | メターリング・バルブの状態 / 配管の損傷 | 対象外 |
燃料蒸発ガス排出抑止装置 | 配管等の損傷 / チャコール・キャニスタの詰まり と損傷 / チェック・バルブの機能 | 対象外 |
一酸化炭素等発散防止装置 | 触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩 みと損傷 / 二次空気供給装置の機能 / 排気ガ ス再循環装置の機能 / 減速時排気ガス減少装 置の機能 / 配管の損傷と取付状態 | 対象外 |
エグゾースト・パイプ及びマフラ | ||
エグゾースト・パイプ及びマフラ | 取付けの緩みと損傷 / マフラの機能 | 対象外 |
車枠及び車体 | ||
車枠及び車体 | 緩み及び損傷 | 設定 |
その他 | ||
車載式故障診断装置の診断の結果 | 設定 |
EVの車検費用は、ガソリン車と比べて、以下のようになっています。
項目 | 説明 | EV |
自賠責保険 | 車の所有者が、必ず入る金額一律の保険 | 同額 |
自動車重量税 | 車種ごとに規定の国税 | 車の購入から5年間免除 |
印紙代 | 車検場所や車種で数百円の差異 | 同額 |
車検基本料金 | 基本点検技術料・整備技術料・代行手数料(事務手数料) | ほぼ同額 |
その他諸経費 | 検査手数料・整備料(点検料、部品代、作業工賃)・納車手数料・代車費用など | やや安価 |
EVの車検は、ガソリン車に比べて、車検項目が少なくなるので、費用が安く抑えられる傾向にあります。
また、ブレーキパッドなどの部品の交換も少なくなります。
ただし、電動モーターなどが壊れてしまうと、高額な出費を余儀なくされます。
EVの自動車重量税は初回車検、2回目車検の計5年分の税金が免税となり、無料になります。
EVのその他諸経費は、車検項目や交換部品が少なくなるので、5,000円〜10,000円くらい安くなります。
EVの車検料の目安として、以下、ガソリン車の場合を例示します。
どこで? | 軽自動車 | 中型乗用車 |
ディーラー | 38.000円〜 | 42.000円〜 |
整備工場 | 25.000円〜 | 30.000円〜 |
カー用品店 | 18.000円〜 | 18.000円〜 |
ガソリンスタンド | 14.000円〜 | 14.000円〜 |
車検専門店 | 13.000円〜 | 13.000円〜 |
EVの車検項目は、ガソリン車よりも少なめになっていますが、今後、状況によっては、EVならではの車検項目が、増えていく可能性はあります。
交換部品が、比較的高額になる場合があります。
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