Apple Watch特許侵害で販売停止：ライセンス料と賠償金はいくら？SpO2測定とは？

はじめに

Apple Watch特許侵害で販売停止についてまとめました。ライセンス料と賠償金はいくら？SpO2測定とは？米Appleは12月18日、米国での「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」の販売を停止すると発表した。MasimoがITCに侵害を訴えた特許は、2002年に米国で出願された「動脈血酸素飽和度（SpO2）の非侵襲的測定方法」に関する特許です。MasimoがAppleからライセンス料として数十億ドルを要求することも考えられます。また、特許侵害の賠償金についても、ITCはAppleに最大で150万ドルの賠償金を命じる可能性があります。

目次

ニュースまとめ

Apple、米国でのApple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2の販売停止を発表

米Appleは12月18日、米国での「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」の販売を停止すると発表した。

米国際貿易委員会（ITC）は10月、Apple WatchのSpO2測定機能が、米医療技術メーカーMasimoの特許を侵害したと判断しており、近く輸入禁止を命じる見通しだ。ITCによる輸入禁止措置は現在、大統領審査期間中で、この期間は25日に終了する。

SpO2センサーを搭載していない「Apple Watch SE」および旧モデルは影響を受けない。また、日本を含む米国以外での販売には影響しない。

Appleは米メディアに対し、「顧客がApple Watchを確実に利用できるよう、様々な法的および技術的選択肢を模索している」と語った。

ポイント

• 米国でのApple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2の販売が停止される。
• 原因は、SpO2測定機能がMasimoの特許を侵害しているとのITCの判断。
• SpO2センサーを搭載していないモデルや米国以外の販売には影響しない。
• Appleは、法的および技術的選択肢を模索している。

Masimoの特許

MasimoがITCに侵害を訴えた特許は、2002年に米国で出願された「動脈血酸素飽和度（SpO2）の非侵襲的測定方法」に関する特許です。この特許では、赤色光と近赤外光の2つの光波長を用いて、動脈血と静脈血の吸収率の差異を測定してSpO2を算出する技術が特許化されています。

Apple WatchのSpO2測定機能も、赤色光と近赤外光の2つの光波長を用いてSpO2を測定する技術を採用しています。そのため、ITCは、Apple WatchのSpO2測定機能が、Masimoの特許を侵害していると判断したのです。

具体的には、Apple WatchのSpO2測定機能は、次の3つの点でMasimoの特許を侵害しているとITCは指摘しています。

• 赤色光と近赤外光の2つの光波長を用いてSpO2を測定する技術
• 測定対象の皮膚から光を照射する部位と、光を検出する部位を異なる位置に配置する技術
• 測定対象の皮膚の色を補正する技術

Appleは、ITCの判断を不服として、ITC上級審に控訴しています。上級審の判断は、2024年3月頃に言い渡される見通しです。

もし、上級審もITCの判断を支持した場合、Appleは米国でのApple Watchの販売を停止するか、Masimoと特許のライセンス契約を結ぶ必要があります。

ライセンス料

ライセンス料は、特許の価値や、ライセンシーの収益力などによって、さまざまな金額が考えられます。

Masimoの特許は、SpO2測定機能に関する重要な特許であるため、ライセンス料も高額になる可能性があります。例えば、米調査会社IC Insightsによると、2022年に最も高額なライセンス料を支払った企業は、韓国のサムスン電子で、金額は約70億ドルでした。このことから、MasimoがAppleからライセンス料として数十億ドルを要求することも考えられます。

また、特許侵害の賠償金についても、ITCはAppleに最大で150万ドルの賠償金を命じる可能性があります。

ただし、AppleはITCの判断を不服として控訴しており、上級審の判断次第では、ライセンス料や賠償金の金額は大きく変わる可能性があります。

具体的な金額については、上級審の判断を待つ必要があります。

以下に、いくつかの可能性を挙げます。

上級審もITCの判断を支持した場合

• ライセンス料：数十億ドル
• 賠償金：最大150万ドル

上級審がAppleの控訴を認め、ITCの判断を覆した場合

• ライセンス料：未定
• 賠償金：未定

Appleは、米国でのApple Watchの販売を停止することを避けるために、Masimoとライセンス契約を結ぶ可能性が高いと考えられます。その場合、ライセンス料は数十億ドルになる可能性があります。また、上級審がITCの判断を支持した場合、賠償金として最大150万ドルを支払う可能性もあります。

Masimoとは

Masimoは、カリフォルニア州アーバインに本社を置く医療機器メーカーです。同社は、非侵襲的患者モニタリング技術の開発と製造に強みを持っています。

Masimoの代表的な製品には、SpO2測定器やパルスCO2測定器などがあります。SpO2測定器は、血中酸素飽和度（SpO2）を測定する装置で、MasimoはSpO2測定器の市場をリードしています。パルスCO2測定器は、血中二酸化炭素濃度（PaCO2）を測定する装置で、MasimoはPaCO2測定器の市場でもトップシェアを占めています。

Masimoは、これらの非侵襲的患者モニタリング技術によって、患者の安全性と快適性を向上させることに貢献しています。

Masimoは、2023年12月現在、時価総額が約300億ドルの企業です。

まとめ

日本などでの販売が許されるのは、Masimoが、米国内だけの出願をしていたからでしょう。

国際出願をしていれば、全世界でのApple Watchの販売を停止することができました。

今からその手続きはできないので、米国以外は、諦めるしかありません。

日本で安く買って、米国に持ち込むこともできますが、個人的にならともかく、商売でやると違法です。

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