昔は、中国といえば、世界の工場で、「made in China」は、安物の象徴でした。
しかし、今や、世界で一二を争う経済大国になりました。そして、半導体やSNSなどを使って、数十年にわたって、各国の情報を収集したり、一帯一路を築くために、各国を「債務のわな」におとしめているようです。
ここでは、そんな中国の動きをニュースを交えて、解説します。
項目 | 基礎データ |
面積 | 約960万平方キロメートル(日本の約26倍) |
人口 | 約14億人 |
首都 | 北京 |
民族 | 漢民族(総人口の約92%)及び55の少数民族 |
公用語 | 中国語 |
宗教 | 仏教・イスラム教・キリスト教など |
世界第2位の経済規模を有する一方で、自らを「世界最大の途上国」と位置づけ、中国の発展は他国の脅威とはならないとする「平和的発展」を掲げている。
また、(1)国家主権、(2)国家の安全、(3)領土の保全、(4)国家の統一、(5)中国憲法が確立した国家政治制度、(6)経済社会の持続可能な発展の基本的保障を「核心的利益」と位置づけ、断固として擁護し、各国に尊重するように求めている。
習近平政権は、「中華民族の偉大な復興」のため「特色ある大国外交」を進めるとして、「人類運命共同体」や「新型国際関係」構築の推進といった外交理念を掲げている他、「一帯一路」イニシアチブの下、積極的なインフラ輸出等を推進している。
国防予算は、約1兆4.504億元(2022年度)
兵力は、約204万人
第一次産業(名目GDPの7.3%)、第二次産業(同39.4%)、第三次産業(同53.3%)
労働集約・外需主導型産業がけん引する「世界の工場」として第二次産業を中心に発展してきたが、2012年に第三次産業の比率が第二次産業の比率を逆転。2015年に第三次産業の比率は50%を超えた。
中国とシンガポールは、早ければ今週にも合同軍事演習を実施する予定。両国の合同演習は2021年以来。中国は、米国との同盟関係が強い東南アジアにおいて防衛・安全保障関係を深化させようとしている。
中国国防省が24日、ウェブサイト上に掲載した文書で明らかにした。文書によると、シンガポールとの合同演習は4月下旬から5月上旬にかけ実施。中国からはミサイル搭載フリゲート「Yulin」や機雷掃海艦「Chibi」が参加する。演習の実施場所については特定しなかった。
中国とシンガポールは19年に2国間の防衛協定を格上げすることで合意し、陸海空軍のより大規模な演習を含めることとした。これに伴い、21年には南シナ海南端の国際水域で合同軍事演習を行っている。
2023年4月24日:ロイター
シンガポールは、中国サイドの国なんですね。
ドイツのリントナー財務相は13日、途上国の債務再編問題を巡って中国が譲歩の可能性を示唆していることについて歓迎すると語った。
中国政府はこれまで、途上国の債務再編に際しては債権国とともに国際開発金融機関も損失を負担すべきだと要求していたが、関係者によると、中国はこうした要求を取り下げる見通しという。そうなれば、交渉の進展を阻んできた大きな障害が解消することになる。
中国はアフリカやアジアの多くの高債務国にとって大口の債権国で、債務再編を加速させるため譲歩するよう繰り返し迫られている。
2023年4月14日:ロイター
大きな進展ですね。それにしても、よく中国は、譲歩しましたね。
中国の習近平国家主席は20日、モスクワ到着に際して発表した談話で「中露新時代の包括的戦略パートナーシップを発展させるため、新たな原動力を注入する」と表明した。
習氏は、ロシアとともに「本当の多国間主義を堅持し、世界の多極化と国際関係の民主化を推進」すると強調。その上で「グローバル・ガバナンス(多国間統治)を、さらに公正、合理的な方向に発展させることを促進する」と訴えた。
長期化が見込まれる米国との対立を念頭に、中国主導の国際秩序の形成に向けてロシアとの関係を重視する考えとみられる。
習氏は中露関係について「双方の政治的な相互信頼は絶えず深まり、実務協力は拡大し、国際的な協力は密接で有効だ」とアピールした。
習氏は、プーチン露大統領との会談で「2国間関係や、ともに関心がある重大な国際・地域問題について深い意見交換を行う」と説明した。ウクライナ情勢についても協議するとみられる。
2023年3月20日:産経新聞
中国主導で、ウクライナ問題が終結することもあるかも知れませんね。
サウジアラビアとイランの外交正常化は世界のエネルギー安全保障にも影響を及ぼす。中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が両国の仲介に乗り出したのは、米国との長期対立をにらみ、エネルギーの調達を確実にするためだ。台湾有事に伴う米欧の経済制裁に対抗する思惑も透ける。
2023年3月11日:日本経済新聞
中国のしたたかさが滲み出ていますね。でも、中東の平和につながるのだったら、これもまた良しかも。日本は、油断しないように。
カナダのジャスティン・トルドー首相は6日、2019年と2021年の総選挙に中国が介入した疑いがあると報じられたことを受け、特別調査官を任命し、調査を行うと発表した。特別調査官はこの2回の総選挙に関する機密報告書を見直し、今後の対応について勧告するという。
一方、中国は選挙介入の疑惑を否定。カナダ側の主張は「全く根拠のない、中傷的なもの」であり、「おおげさに」報道しているとしている。
2023年3月7日:BBC
事実だとしたら、由々しき問題ですね。
アメリカ本土を横断した中国の気球をめぐっては、アメリカ軍が飛行中に偵察機で撮影した画像の解析や今月4日、軍が撃墜したあと、回収した残骸の分析を進めています。
アメリカ国務省の高官は9日、この気球について画像の解析から通信などを傍受することができるとみられる複数のアンテナや、さまざまな情報を収集するセンサーを作動させるための太陽光パネルも備えていたことを明らかにしました。
そして「気象などを研究する民間の飛行船だ」とする中国側の主張を改めて否定しました。
また高官は「この気球を製造したのは、中国軍と直接関係があり、軍に認証された企業だと確信している」と述べ、中国軍が気球と関わっているのではないかとの認識を示しました。
さらに、中国がこうした偵察用気球を40か国以上の上空で飛行させていたと指摘したうえで、アメリカの領空内への侵入を支援した、中国軍とつながりがある団体に対して何らかの対応をとる考えを示しました。
2023年2月10日:NHK
米メディアによると、中国は過去に偵察気球を使って日本やインド、ベトナム、フィリピン、台湾などの軍事関連の情報を集めていたそうです。
空軍航空機動軍司令部のマイク・ミニハン大将(56)は2023年1月末、自身のツイッターで「私の直感では、米国は2025年に中国と戦争をすることになるだろう。直感が間違っていることを願う」とつぶやいた。
「(中略)台湾をめぐる紛争では死傷者の規模が大きくなるし、米軍をぐらつかせることになる」
そして同社説は結語で、「台湾を守るための戦争を阻止するため、米国は(中国の)侵略を撃破する手段と意志を持っていることを中国に示す必要がある」と記した。
ミニハン大将が2025年という具体的な年を述べたのは、2024年に台湾で総統選挙があるばかりか、米国では大統領選挙もあるため、2024年から両国の政治的関心が内向きになり、侵略されやすくなる環境になるとの見立てからだ。
同大将は内部メモでも「習近平主席のチームは2025年の台湾攻撃に向けて準備をしている」と説明したほどだ。
2023年2月10日:JBpress
具体的な時期を見ると、ことの重大さに気づきます。米中の戦争が起きたら、米軍基地のある日本は、多大なる影響を受けるでしょう。なんとか避けたいものです。
オーストラリアのマールズ国防相は10日までに、中国製の監視カメラを国防省の施設から撤去すると発表した。スパイ活動への懸念に基づく措置だとしている。
スパイ活動の懸念に言及した野党・自由党のジェームズ・パターソン上院議員は8日、中国製のセキュリティー機器について、政府施設での使用状況の「監査」を実施したと明らかにした。その結果、監視カメラやアクセス制御システム、インターホンを含む913の機器が中国国営企業のハイクビジョンと浙江大華技術(ダーファ)の製品であることが分かったという。
パターソン氏は8日のラジオでのインタビューで、「これらの企業は中国共産党と極めて密接な関係があり、中国の国家情報法の影響下にある。この法律は中国のあらゆる企業と個人に対し、要請があれば中国の情報機関に秘密裏に協力することを義務付けている」と説明。過去にはこれらのカメラに関する脆弱(ぜいじゃく)性が明らかになったこともあるとした。具体的には第三者が完全に機器をコントロールし、音声や映像を収集できる状態にあったという。
2023年2月10日:CNN
まるで映画の世界のようですね。
Eコマース帝国のAlibaba(アリババ)や検索エンジン大手のBaidu(バイドゥ)など、少なくとも5社の中国企業がここ数日で、ChatGPTと同様のツールへの取り組みを発表した。アリババの広報担当者は2月8日、同社がChatGPTスタイルのボットの社内テストを行っていることを認め、バイドゥは7日にErnie Bot(アーニーボット)と呼ばれるボットを3月に立ち上げると発表した。
しかし、オープンAIが先月マイクロソフトから100億ドル(約1兆3100億円)の投資を呼び込むことにつながった、この革新的ツールは、中国ではまだ利用できない。そのため中国ではChatGPTのアカウントの転売が横行しており、アリババのECサイトの淘宝網では1アカウントが5元(約97円)程度で売られている。
2023年2月10日:Forbes
中国は、新しい技術を模倣するのが、とても上手い国になりましたね。そして、それを元の国よりも、大胆に活用します。恐ろしくもありますが、技術発展に寄与すると思えば、価値はあるのかも。
中国外務省の毛寧報道官は10日、米国で中国人の不動産購入を禁止する動きが出ていることとについて、市場経済の原則と国際貿易ルールに反すると批判した。
報道によると、テキサス、フロリダ、アーカンソーなどの州で、中国人の不動産購入を禁止する法案が検討されている。
毛氏は「中国と米国の経済・貿易協力は本来、互いの利益になるものと強調したい」とし「中国企業は長年にわたって米国に投資し、国内の雇用と経済発展の促進に重要な貢献をしてきた」と指摘した。
2023年2月10日:ロイター
中国を徹底的に締め出そうとしていますね。
日本政府は2月4日、先端半導体技術の軍事転用を阻止するための輸出規制を今春にも実施する方針を固めた。特定の製品や技術を輸出する際に経済産業相の許可が必要となる外為法の省令を改正し、日本が強みを持つ半導体製造装置が輸出先で軍事利用されないようにする。中国を念頭にした米国やEU諸国などの規制と歩調を合わせるものだ。政府は、半導体の規制が多くの企業に影響を与えることから、広く企業などから意見を募る予定だ。
米国は、半導体製造装置で高い技術を持つオランダにも協力を要請しており、ここに来て日米蘭が揃って規制を実施することになる。米国が回路線幅14ナノメートル以下の半導体を規制していることから、日本も同様の対応をとると見られている。
ちなみに米国は、既に2020年12月、中国の半導体受託製造(ファウンドリ)最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)を含む中国企業4社を「共産中国軍事企業」のリストに加えて禁輸対象としている。この時、SMICとともにリスト指定を受けたのは国有石油大手の中国海洋石油(CNOOC)、国有建設大手の中国建設科技(CCTC)、国有エンジニアリング大手の中国国際工程諮詢(CIECC)の3社だった。
2023年2月10日:JBpress
半導体の中身を全て知るのは、不可能なのでしょうか。もしそうだとすると、何十年も、中国に各国の情報が筒抜けだったことになりますね。
インド洋に浮かぶ小国、スリランカは、これまで長年に渡り中国からの「再建支援」の名のもとによる多額の融資で債務返済に苦しみ、「債務のわな」に陥っているとして、インドや米国を筆頭に国際社会から懸念の声が多く上がっていた。
スリランカのシャヘン・セマシンハ財務大臣は、「国際通貨基金(IMF)の理事会が29億米ドル(3,804億6,550万円)の融資を承認する上で、中国の債務保証についてコメントするのは必須ではあるが、時期尚早だと考えている」との見解を示した。
「スリランカは今のところ、インドからの文書による保証しか受けていないが、パリクラブ(フランス財務省で年に10回ほど開催される、債務返済困難に直面した債務国に対し、二国間公的債務の債務救済措置を取り決める非公式会合の呼称)のメンバーも口頭で債務保証の意志を表明しており、中国も近いうちに同様の保証をする見込みである」(セマシンハ財務大臣)
2023年2月4日:幻冬舎
債務のわなは、恐ろしい政策ですね。これが世界的に合法的なのかどうか判断の分かれるところかも知れませんが、なんとなく、非合法な気がします。
米国上院情報委員会のマイケル・ベネット議員(民主党)は2月2日、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は国家安全保障に危険を及ぼす恐れがあるとして、アップルとアルファベットの最高経営責任者(CEO)にアプリストアから排除するよう求める書簡を送った。
「中国共産党に従う企業は全て、米国民に関する広範なデータを蓄積したり、米国民の約3割に対するコンテンツ管理能力を持つべきでない。TikTokを各アプリストアから直ちに削除することを強く求める」
TikTokの潜在的な安全保障上の懸念については、主に共和党が主導して対応を呼びかけていたが、民主党のダービン上院議員も国民に同アプリの使用中止を促した。
共和党が多数派を占める下院の外交委員会では、TikTokの米国での使用を禁止する法案の採決を2月中に行う。
2023年2月3日:ロイター
まさかTikTokにそんな危険が潜んでいようとは、思いもよりませんでした。中国のSNSの勢いを抑える意味合いもあるかも知れませんね。
中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」。実は、いまの米中貿易摩擦の根源となったとも指摘されています。
習近平党総書記・国家主席が2013年から推しすすめている中華経済圏構想「一帯一路」は、人民元の支配範囲を広げていく経済構想です。ユーラシア大陸とその周辺にインフラストラクチャー網を建設し、陸海空すべての物流ルートを北京や上海に接続する。
中国からユーラシア大陸を経由してヨーロッパにつながる陸路の「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ海路の「21世紀海上シルクロード」(一路)のふたつの地域で、中国が中心となってインフラ整備や貿易促進を図り、人民元を徐々に浸透させようとする計画です。
2023年1月27日:幻冬舎
壮大な計画ですが、シルクロードや万里の長城を築いた国なら、本当に実現するかも知れませんね。
中国は、壮大な計画のもと、一帯一路を築こうとする一方、世界の情報を収集しています。
今は、どのくらいのレベルなのか分かりませんが、各国は、完全に油断していましたね。
今後、各国が中国依存を解消することで、安全保障や貿易に支障が出ないことを祈ります。
情報が古かったり、間違っていることなどによる損害の責任は負いかねますので、ご了承ください。
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