胃がんの治療薬には、「抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)」「分子標的薬」「免疫チェックポイント阻害薬」の3種類があります。
胃がんの薬物療法は、主に「抗がん剤」となっています。抗がん剤には5-FU系(5-FU、S-1、カペシタビン)、プラチナ系(シスプラチン、オキサリプラチン)、タキサン系(パクリタキセル、nab-パクリタキセル、ドセタキセル)、イリノテカンがあり、組み合わせて使用されます。
「分子標的薬」も、抗がん剤と組み合わせて使用されます。例えば、「トラスツズマブ」「ラムシルマブ」という薬剤があります。
「免疫チェックポイント阻害薬」は、胃がんの5%ほどのMSI-Hといった特徴を持った患者に使用されます。現在承認されているのは、「オプジーボ(ニボルマブ)」のみです。「キイトルーダ(ペムブロリズマブ)」は、承認申請中です。
一般名 | 商品名 | 分類 | 効能または効果 | ||
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先発医薬品 | 後発医薬品 | ||||
分子標的薬 | トラスツズマブ | ハーセプチン | トラスツズマブ「CTH」「NK」「第一三共」「ファイザー」 | HER2阻害薬 | HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌 |
ラムシルマブ | サイラムザ | 血管新生阻害薬 | 治癒切除不能な進行・再発の胃癌 |
初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを3週間間隔で点滴静注します。
ハーセプチンの薬価は、16,736円/60mgなので、体重60kgの場合、年間175万円ほどです。
1回8mg/kg(体重)を、2週間に1回点滴静注します。
ライラムザの薬価は、76,659円/100mgなので、体重60kgの場合、年間959万円ほどです。
がん細胞には、リンパ球などの免疫細胞の攻撃を逃れる仕組みがあります。そこで、免疫チェックポイント阻害薬は、その仕組みを解除して、免疫細胞の攻撃を有効にします。
一般名 | 商品名 | 分類 | 年間治療費 | 効能または効果 | ||
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先発医薬品 | 後発医薬品 | |||||
免疫チェックポイント阻害薬 | ニボルマブ | オプジーボ | 抗PD-1抗体 | 955万円 | 治癒切除不能な進行・再発の胃癌 |
オプジーボは、1回点滴静注して、13日間おいて、また投薬という、14日間のサイクルを繰り返します。1回あたりの使用量は、体重に関係なく、240mgです(2018年11月改定)。
オプジーボの薬価は、36,6405円/240mgなので、年間955万円ほどです。
高額療養費制度は、公的な健康保険に加入している人なら、誰もが利用できる制度です。所得区分の年収は、おおよその金額です。
所得区分 | 毎月の自己負担限度額(世帯ごと) | 4回目以降 |
年収1,160万円〜 | 252,600円 +(医療費-842,000)×1% | 140,100円 |
年収770万円〜1,160万円 | 167,400円 +(医療費-558,000)×1% | 93,000円 |
年収370万円〜770万円 | 80,100円 +(医療費-267,000)×1% | 44,400円 |
〜年収370万円 | 57,600円 | 44,400円 |
住民税非課税者 | 35,400円 | 24,600円 |
所得区分 | 毎月の自己負担限度額(世帯ごと) | 4回目以降 |
年収1,160万円〜 | 252,600円 +(医療費-842,000)×1% | 140,100円 |
年収770万円〜1,160万円 | 167,400円 +(医療費-558,000)×1% | 93,000円 |
年収370万円〜770万円 | 80,100円 +(医療費-267,000)×1% | 44,400円 |
年収156万円〜370万円 | 57,600円(外来は別料金) | 44,400円 |
II住民税非課税者 | 8,000円 | 24,600円 |
I住民税非課税者 | 8,000円 | 15,000円 |
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