2015年8月、武田薬品工業など日米欧の13社の医薬品メーカーが、ゲノム創薬の開発で、共同プロジェクトを立ち上げました。一方、がんの新薬が、実用化されるようになって来ました。2015年2月に、中外製薬は、皮膚がんの治療薬「ゼルボラフ」を発売。悪性黒色腫患者の約半数が、「BRAF」という遺伝子に異常があり、それを標的にしています。
2014年、小野薬品工業の「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が、世界初の「抗PD-1抗体」として、悪性黒色腫に対して、日本で承認されました。オプジーボは、ヒトの免疫に関するT細胞の「PD-1」という受容体に、がん細胞に発現する「PD-L1」抗体が結合するのをブロックして、免疫の働きにブレーキがかかるのを阻害する薬です。
従来の「タキソテール」という抗がん薬と比較して、高い効果があることが分かりました。
2018年5月、中外製薬の発売した血友病治療薬「ヘムライブラ」が、ブロックバスター(圧倒的売上を誇る新薬)となりました。この薬は、バイスペシフィック抗体と呼ばれ、Yの字の抗体の左右で異なる抗原と結合する抗体医薬品です。その結果、血液凝固第VIII因子の代わりとなって働くことができます。
「グリベック(一般名:イマチニブ)」は、慢性骨髄性白血病(CML)という血液のがんに対して、高い効能を持つ薬です。
映画『薬の神じゃない!』は、2018年に中国で公開されて、大ヒットした映画です。これは、がん治療の高額な薬「イマチニブ」を巡って起こった実際の事件を基にしています。
上海で、男性向けの回春薬を売る小さな店主チョン・ヨン(程勇)は、店の家賃さえ払えず、妻にも見放され、人生の目標を見失っていた。ある日、「血液のがん」である慢性骨髄性白血病患者リュ・ショウイー(呂受益)が店に訪れる。国内で認可されている治療薬は非常に高価であるため、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入してほしいという依頼だった。最初は申し出を断ったものの、金に目がくらんだチョン(程)は、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染め、より多くの薬を仕入れるため、購入グループを結成する。依頼人のリュ(呂)を始め、白血病患者が集まるネット上コミュニティの管理人で、自身も白血病の娘を持つポールダンサーのリウ・スーフェイ(劉思慧)、中国語なまりの英語を操るリウ牧師(劉牧師)、力仕事が得意な不良少年のボン・ハオ(彭浩)が加わり、事業はさらに大きく拡大していく。しかし、警察に密輸として目をつけられ始め、いったんはグループを解散したチョン・ヨン(程勇)たちだったが、薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びに決意を固める。患者の負担を軽くするため仕入れ値以下の価格で薬を売り、あえて危険な仕事を続ける彼に待ち受ける結末とは……。
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