【短文解説】最先端治療・医療の専門用語、簡単にわかりやすく
はじめに
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目次
がんとその最先端治療の専門用語
がんゲノム医療
患者のがん細胞の遺伝子異常を解析し、その結果に基づいて個別に最適な治療を行う医療。
免疫チェックポイント阻害剤
がんが免疫から逃れる仕組みを阻害し、免疫細胞が再びがんを攻撃できるようにする薬剤（例：オプジーボ）。
CAR-T細胞療法
患者のT細胞を遺伝子改変し、がん細胞を特異的に攻撃するように強化してから体内に戻す治療法。
がんワクチン
がん特有の抗原を体に認識させ、免疫系ががん細胞を攻撃するよう促す治療用ワクチン。
がんリキッドバイオプシー
血液中に流れるがん細胞由来のDNAなどを検出し、非侵襲的にがんの診断やモニタリングを行う技術。
がん個別化医療（精密医療）
患者ごとの遺伝子・生活環境などに基づいて、最も効果的な治療を選ぶ個別対応型の医療。
放射線粒子線治療
陽子線や重粒子線を使って、がん細胞を高精度に破壊する放射線治療。正常組織への影響が少ない。
分子標的薬
がん細胞の成長や分裂を促す特定の分子だけを狙って攻撃する薬。副作用が従来の抗がん剤より少ない。
ナノ粒子薬物送達システム（DDS）
ナノサイズのキャリアに薬剤を搭載し、がん細胞のみに効率的に薬を届ける技術。
がん幹細胞
がん細胞の中でも特に自己複製能力と再発・転移の原因となる細胞。これを標的にした治療が研究中。
アポトーシス誘導療法
がん細胞に自然な細胞死（アポトーシス）を引き起こすように働きかける治療法。
フェロトーシス誘導療法
がん細胞を鉄依存的な細胞死（フェロトーシス）に誘導する新しい治療アプローチ。
腫瘍浸潤リンパ球療法（TIL療法）
がん組織から取り出した免疫細胞を活性化し、増殖させて再び体内に戻す治療法。
オンコウイルス療法
がん細胞に選択的に感染し、内部で増殖して細胞を破壊するウイルスを使った治療法。
がんマイクロバイオーム治療
腸内細菌などの微生物ががん治療の効果に関与することを利用し、腸内環境を整えることで免疫反応を強化する治療。
熱治療（ハイパーサーミア）
がん組織に熱を加えて壊死させる方法。放射線や化学療法と併用することもある。
人工知能（AI）によるがん診断
CTやMRIなどの画像をAIが解析して、がんの早期発見や治療効果の予測を行う技術。
RNA治療（siRNA・mRNAなど）
がん細胞の異常な遺伝子発現をRNAレベルで制御する最先端の遺伝子治療。
がん細胞代謝阻害療法
がん細胞特有のエネルギー代謝経路を妨げて、がんの増殖を抑える治療戦略。
バイオマーカーによるがん予測
血液や尿中に含まれる特定の分子を使って、がんの存在や治療効果を判定する技術。
認知症・アルツハイマー病とその最先端治療の専門用語
アミロイドβ（ベータ）
アルツハイマー病の原因とされる異常なたんぱく質で、脳内に蓄積して神経細胞を傷つける。
タウたんぱく質
神経細胞内で異常に蓄積し、細胞機能を妨げて死滅させる。アルツハイマー病の進行に関与。
抗アミロイド抗体療法
脳内のアミロイドβを除去する抗体薬（例：レカネマブ、アデュカヌマブ）による治療法。
抗タウ抗体療法
タウたんぱく質の蓄積を抑えることで神経細胞の破壊を防ぐ新しい治療法。
早期診断用バイオマーカー
脳脊髄液や血液中のアミロイドβやタウの濃度を測定し、発症前から診断できる技術。
脳PET検査
脳内のアミロイドやタウの蓄積を画像で可視化する先端的な診断方法。
神経炎症（ニューロインフラメーション）
認知症で重要視される、脳内で起こる慢性的な炎症。治療の新ターゲットとなっている。
認知症予防AI
生活習慣・会話・脳トレなどのデータから、AIが認知症リスクを評価・予測する技術。
mHealth（モバイルヘルス）
スマートフォンやウェアラブル端末を使い、日常生活から認知機能をモニタリングする手法。
デジタル認知テスト
タブレットやPCを用いた非侵襲的な認知機能テストで、軽度認知障害（MCI）を早期発見。
軽度認知障害（MCI）
日常生活に大きな支障はないが、記憶力などが低下し始めた状態。認知症の前段階とされる。
脳神経再生療法
神経細胞の修復や再生を促す治療法。幹細胞や成長因子を用いた研究が進行中。
iPS細胞治療
再生医療の一環で、神経細胞をiPS細胞から作り出して脳機能を回復させる試み。
血液脳関門（BBB）透過技術
薬剤を脳内に届けるため、血液脳関門を安全に通過させるナノ技術が開発されている。
音波刺激療法（音響治療）
特定の周波数の音で脳を刺激し、アミロイドβの除去や脳機能改善を目指す非侵襲的治療。
深部脳刺激療法（DBS）
電極を脳内に埋め込み、微弱な電流で脳の特定部位を刺激して認知機能を改善する技術。
ニューロフィードバック
脳波をリアルタイムで可視化し、脳の活動を自ら調整することで集中力や記憶力を高めるトレーニング法。
生活習慣修正プログラム
運動、栄養、睡眠、社会活動などの改善を通じて、認知症の発症や進行を遅らせる介入法。
認知症治療薬（ドナぺジルなど）
進行抑制や症状改善を目的とする薬。現在は対症療法が主だが、根本治療薬の研究も進む。
腸内細菌と脳（腸-脳相関）
腸内細菌のバランスが脳機能に影響を与えるという新しい視点で、プロバイオティクス療法も注目されている。
糖尿病とその最先端治療の専門用語
インスリン抵抗性
インスリンが十分に作用しなくなる状態。2型糖尿病の主な原因の一つ。
GLP-1受容体作動薬
血糖値を下げるホルモン「GLP-1」に似た作用を持つ注射薬。体重減少にも効果がある。
SGLT2阻害薬
腎臓からの糖再吸収を抑えて尿に排出させる新しいタイプの飲み薬。心臓病や腎機能にも良い影響。
持続血糖モニタリング（CGM）
皮膚に装着するセンサーでリアルタイムに血糖値を測定し、スマホなどで管理できる。
人工膵臓（クローズドループシステム）
インスリンポンプとCGMを連動させ、自動でインスリンを調整する次世代治療機器。
iPS細胞によるβ細胞再生
インスリンを作る膵β細胞をiPS細胞で再生する再生医療。1型糖尿病の根治に期待。
経口インスリン製剤
注射ではなく、飲み薬として摂取できるインスリン。現在、開発段階にある。
スマートインスリン
血糖値の変化に応じて自動的に放出されるインスリン製剤。投与回数を減らせる可能性がある。
糖尿病AI予測システム
医療ビッグデータをAIが分析し、糖尿病リスクや合併症の予測を行うシステム。
フラッシュグルコースモニタリング（FGM）
センサーをかざすだけで血糖を測れる簡易型のCGM。痛みが少なく、自己管理がしやすい。
低GI食品
血糖値の上昇が緩やかな食品。食後血糖値をコントロールしやすくする食事療法の一環。
インクレチン療法
消化管ホルモン「インクレチン」の作用を活かしてインスリン分泌を促す治療法。
デジタル治療（DTx）
アプリやデバイスを使って、食事・運動・服薬などを支援する新しい治療方法。
腸内細菌と糖代謝
腸内環境がインスリン感受性や糖代謝に影響を与えることが分かっており、新たな治療ターゲットとなっている。
脂肪肝と糖尿病
非アルコール性脂肪肝（NAFLD）がインスリン抵抗性と関連し、2型糖尿病と深く関係する。
腎保護型糖尿病治療
SGLT2阻害薬などを活用し、糖尿病腎症の進行を抑制する最先端の治療戦略。
糖尿病網膜症AI診断
目の画像からAIが糖尿病網膜症の有無を診断する技術。検診や早期発見に貢献。
リアルタイム遠隔診療
CGMやアプリを通じて医師が患者の状態をモニタリングし、遠隔で治療を指導する方式。
糖尿病合併症予防プログラム
血糖コントロールだけでなく、腎臓、眼、神経などの保護を目的とした総合的な支援プログラム。
1型糖尿病の自己免疫療法
自己免疫によるβ細胞破壊を抑制する免疫制御治療。予防や早期治療を目指す。
心血管疾患（心筋梗塞・高血圧など）とその最先端治療の専門用語
冠動脈バイパス術（CABG）
狭くなった冠動脈をバイパスして血流を改善する外科的治療法。重度の心筋梗塞に対処。
経皮的冠動脈インターベンション（PCI）
カテーテルを使って詰まった冠動脈を拡張し、ステントを挿入する低侵襲治療。
薬剤溶出ステント（DES）
再狭窄を防ぐ薬剤を放出するステント。PCIで広く使用される。
トランスカテーテル大動脈弁置換術（TAVI/TAVR）
開胸せずに心臓弁を置換する高齢者向けの低侵襲治療。
心筋再生医療
心筋細胞をiPS細胞などから再生し、心不全の改善を目指す先進的治療法。
遠隔心電図モニタリング
スマートウォッチなどのデバイスで心電図を遠隔監視し、不整脈などを早期発見。
心臓リハビリテーション
運動・栄養・心理ケアなどを組み合わせた再発予防プログラム。
心房細動アブレーション治療
異常な電気信号の発生源を高周波で焼灼し、心房細動を治療。
ウェアラブル血圧測定
腕時計型や指センサーなどでリアルタイムに血圧を測定できる技術。
AI心電図解析
AIが心電図を自動解析し、心筋梗塞や不整脈などを早期検出するシステム。
ナノメディシンによる動脈硬化治療
ナノ粒子を用いて動脈硬化の炎症部位に直接薬剤を届ける次世代治療。
高感度トロポニン検査
心筋障害を早期に検出できる血液検査。心筋梗塞の診断精度が向上。
リポ蛋白(a)検査
動脈硬化リスクを判定する血液検査。個別化医療に役立つ。
心不全に対するSGLT2阻害薬
糖尿病治療薬が心不全の改善にも効果があることが判明し、心臓病治療に応用されている。
精密医療（プレシジョン・メディシン）
遺伝子や生活習慣に基づいて、心疾患の最適な治療を提供する方法。
心筋スキャフォールド移植
バイオ素材で作られた足場構造に心筋細胞を培養し、移植する再生医療技術。
血管内イメージング（OCT、IVUS）
血管の内部を高精細に可視化し、治療の精度を高める画像診断技術。
遠隔血圧管理アプリ
スマホアプリと連動して家庭での血圧記録を医師と共有し、治療を最適化。
CRISPRによる遺伝子編集治療
遺伝的な心疾患の原因遺伝子を修正する新たな治療アプローチ。研究段階。
心血管イベント予測AI
患者の医療データを基に、心筋梗塞や脳卒中の発生リスクをAIが予測。
難病（ALS、パーキンソン病など）とその最先端治療の専門用語
筋萎縮性側索硬化症（ALS）
運動神経細胞が徐々に壊れる神経難病。進行性で現在も治療法は限られている。
パーキンソン病
ドパミン不足により運動障害を引き起こす神経変性疾患。高齢化とともに患者が増加中。
脊髄小脳変性症
歩行やバランスをつかさどる神経が障害される進行性難病。
多発性硬化症（MS）
中枢神経の自己免疫疾患で、視力障害・筋力低下・しびれなどが現れる。
iPS細胞による神経再生療法
患者の細胞からiPS細胞を作り、神経細胞に分化させて移植する再生医療技術。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー
筋力低下を伴う遺伝性疾患。小児に多く、進行性で最終的に呼吸機能に影響する。
遺伝子治療
異常な遺伝子を正常に修復・補充する先端的治療法。ALSやSMAでの応用研究が進行中。
ニューロプロテクション
神経細胞の損傷や死滅を防ぐ薬剤や治療戦略を指す用語。
深部脳刺激療法（DBS）
パーキンソン病やジストニアなどに対し、脳の深部に電極を埋め込み刺激する治療法。
経頭蓋磁気刺激（TMS）
非侵襲的に磁気で脳を刺激し、うつ病やパーキンソン病症状の改善を図る技術。
遺伝子スプライシング治療
異常な遺伝子の読み取りを修正する新しい治療法。SMA治療薬「スピンラザ」に応用。
バイオマーカー
病気の診断・進行・治療効果を客観的に示す生体指標。ALSやパーキンソン病での活用が進む。
GDNF（グリア由来神経栄養因子）
神経の成長や保護に関与するタンパク質。パーキンソン病の治療候補として注目。
脊髄性筋萎縮症（SMA）
運動神経が失われ、筋力低下が進行する遺伝性難病。スピンラザやゾルゲンスマなどの治療薬が登場。
CRISPR-Cas9
特定の遺伝子を精密に切り取って修正する遺伝子編集技術。難病治療への応用が期待される。
抗体医薬
特定の病的タンパク質を標的とする治療。ALSや自己免疫性神経疾患での応用が研究中。
人工神経インターフェース
脳や神経と機械をつなぎ、運動や感覚を回復させる技術。神経難病患者のQOL向上を目指す。
神経変性疾患モデルマウス
ALSやパーキンソン病などの研究に用いる遺伝子改変マウス。治療薬開発に不可欠。
脳脊髄液バイオマーカー
ALSやMSの診断・進行予測に活用される脳脊髄液中の分子指標。
神経幹細胞移植
神経の損傷部位に幹細胞を移植し、神経再生を促す治療法。ALSや脊髄損傷で研究中。
感染症（COVID-19、HIVなど）とその最先端治療の専門用語
COVID-19（新型コロナウイルス感染症）
SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる感染症。世界的なパンデミックを引き起こした。
HIV（ヒト免疫不全ウイルス）
免疫細胞を破壊し、エイズ（AIDS）を引き起こすウイルス。長期にわたる治療が必要。
抗レトロウイルス療法（ART）
HIVの増殖を抑える多剤併用療法。ウイルス量を検出限界以下に抑える。
中和抗体
ウイルスの感染能力を無効化する抗体。COVID-19の治療薬や予防薬として使用。
mRNAワクチン
遺伝情報（mRNA）を体内に投与し、ウイルスタンパク質を産生させて免疫を誘導する革新的ワクチン。
抗ウイルス薬（抗HIV薬/抗コロナ薬）
ウイルスの複製を阻害する薬剤。レムデシビル、パクスロビドなどがCOVID-19で使用される。
抗体カクテル療法
複数の中和抗体を組み合わせて投与することで、より高い治療効果を得る方法。
モノクローナル抗体
特定のウイルス抗原に結合する1種類の抗体。感染症治療に用いられる。
ウイルス変異株
ウイルスの遺伝子変異によって生まれた新しい型。感染力やワクチン効果に影響を与える。
リアルタイムPCR検査
ウイルスの遺伝子を増幅して検出する検査方法。高感度で感染診断に広く用いられる。
抗原検査
ウイルスのタンパク質を迅速に検出する検査。簡便だが感度はPCRより低い。
ワクチンプラットフォーム
mRNA、ウイルスベクター、組換えタンパクなど、さまざまなワクチン技術の基盤。
エピトープ
免疫細胞や抗体が認識するウイルスの特定部分。ワクチン設計に重要。
アジュバント
ワクチンの免疫効果を高める補助成分。免疫反応をより強く、持続させる。
長期非進行感染者（LTNP）
HIVに感染してもエイズを発症せずに長期間健康を維持する人々。治療研究で注目。
HIV予防ワクチン
感染を防ぐためのワクチン。まだ臨床試験中だが、mRNA技術を用いた候補も登場。
プロバイオティクスと感染予防
腸内環境の改善が免疫機能向上に寄与し、感染症リスクを低下させる可能性がある。
免疫チェックポイント阻害剤
がん治療に用いられるが、免疫活性化を通じてHIV除去戦略にも応用が検討されている。
ウイルスベクター
遺伝子を体内に運ぶウイルス。アストラゼネカ社のCOVID-19ワクチンなどに使用。
パンデミック対応体制
感染症の世界的流行に迅速に対応するための医療・研究・行政の包括的フレームワーク。
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