FX取引のスワップポイントの計算・比較一覧について解説します。
FXは、元本割れを起こす危険があります。さらに、追証の危険性もあります。その辺り、十分理解してやりましょう。
そして、これから、金利差の広がりは、それほど大きな変化が起きません。
それどころか、日銀の金融政策も修正が始まり、米国の利上げ幅は縮小し、停止し、利上げになって行きます。
短期的に見て、為替の安定期になるかも知れませんが、円高に振れる相場になるかも知れません。
前者の場合、スワップは、有効な投資先と言えるかも知れません。
しかし、後者の場合、損をするので、スワップ狙いの外貨買いはおすすめしません。
あえてのドル売りを仕掛けるのも良いですが、マイナススワップがつくので、大して儲からないでしょう。
そういうわけで、中・長期的には、円高になるという方向性であることから、FXで稼げる時期は終わったと言っても良いのではないでしょうか。
他の通貨は、円よりも高金利なので、買うと、金利差に応じて、利子をもらえます。
それをスワップと呼びます。
メキシコの金利は、8.5%ほどで、日本は、-0.1%なので、金利差は、8.6%です。
メキシコペソを3万円ほど買うと、年間で、2,580円利息がつきます。
仮に、レバレッジを5倍(3万円の元手で、15万円分のメキシコペソを買うこと)とすると、年間で12,900円の利息になります。
1日あたり、35円ほどのスワップをもらえます。
スワップは、通貨によって、大きく異なります。
中でも、メキシコペソが、一番効率が良くて、10,000通貨あたり、14円ほどあれば、約3万円の投資で、毎日28円もらえます。
年利で、34%になります。
嘘みたいな数字ですが、これは事実です。
しかも、スワップは、毎日もらえるので、いつ保有しても、OKです。ちなみに、株式の配当金は、年2回が多く、配当落ち日に、保有している必要があります。
スワップは、レバレッジによって、大きく異なります。
最適なレバレッジは、3〜5倍ほどと言われています。
また、元本割れの影響も大きくなる場合がありますので、ご注意ください。
なお、上記の2つの例は、同じメキシコペソに3万円投資した場合ですが、スワップポイントの計算結果が異なっています。これは、レートや金利などによって、計算に誤差が生じているためです。
最初に、各通貨のスワップポイントの利回り比較一覧です。
数値は、楽天証券のものです。
通貨ペア | スワップポイント | レート | 必要証拠金 | 1年間のスワップ | 1年間の利回り | スプレッド |
ドル/円 | 92 | 137.1 | 5,483 | 3,358 | 61.24% | 0.2 |
ユーロ/円 | 5 | 136.6 | 5,465 | 182.5 | 3.34% | 0.5 |
ポンド/円 | 75 | 161.68 | 6,469 | 2737.5 | 42.32% | 1.0 |
豪ドル/円 | 54 | 94.7 | 3,789 | 1971 | 52.02% | 0.6 |
ユーロ/ドル | -0.80ドル | 0.99688 | 5,465 | -29.2 | -0.53% | 0.4 |
メキシコペソ/円 | 14 | 6.885 | 276 | 511 | 185.14% | 0.2 |
トルコリラ/円 | 10 | 7.514 | 378 | 365 | 96.56% | 6.8 |
人民元/円 | 20 | 19.9 | 797 | 730 | 91.59% | 0.9 |
「必要証拠金」は、1,000通貨あたりの金額です。レバレッジは不明ですが、25倍だと思われます。
「スワップポイント」は、10,000通貨あたりの金額です。証券会社ごとに少し異なります。また、各国の利上げなどでも、変わります。
「1年間のスワップ」は、1,000通貨あたり、365日分の金額です。スワップは、土日はなくて、平日でも「0」の日があります。逆に、「2」「3」「4」倍の日もあります。
一番利回りの高いのは、メキシコペソ/円です。1年間で、185.14%の利回りです。資産が、2.8倍になるということです。
ユーロ/ドルは、金利差が逆転しているので、利回りがマイナスになっています。
メキシコペソ100,000通貨あたり130円とします。
100,000通貨だと、メキシコペソの相場が、6.600くらいとして、66万円買うことになります。
レバレッジが、20倍として、必要証拠金は、66万円/20=約33,000円になります。
130円を毎日もらうとして、130×365=約47,450円です。
実際には、土日はスワップはありませんが、4倍になったりする日があります。証券会社の「スワップカレンダー」でご確認ください。
つまり、1年間、33,000円をメキシコペソに投資すると、年間47,450円のスワップをもらえるのです。
年利100%以上になります。
ところで、この間、メキシコペソが、1割下がったとします。すると、レバレッジが20倍なので、66万円の1割の66,000円を損することになります。元本が、33,000円なので、マイナスになってしまいます。そのくらい危ないことなので、ご注意ください。
不安ならば、とにかくレバレッジを低く抑えること。それに尽きます。
一般的なスワップポイントの表です。
条件は、以下のようにしました。
項目 | 数値 | コメント |
レート | 135円/ドル | 一例です |
取引数量 | 5,000通貨 | 多くの証券会社で、1000通貨単位で売買できます |
必要資金 | 675,000円 | レート×取引数量 |
スワップポイント | 92円(10,000通貨当たり) | 証券会社ごとに決まっています |
1日のスワップポイント | 46円 | スワップポイント/10,000×取引数量 |
1ヶ月間のスワップポイント | 1,380円 | 1日のスワップポイント×30日 |
1年間のスワップポイント | 16,790円 | 1日のスワップポイント×365日 |
結果は、以下のようになりました。
レバレッジ | 必要証拠金 | 1年間の利回り |
1 | 675,000円 | 2.49% |
5 | 135,000円 | 12.44% |
10 | 67,500円 | 24.87% |
条件は、以下のようにしました。
項目 | 数値 | コメント |
レート | 6.6メキシコペソ/円 | 一例です |
取引数量 | 100,000通貨 | 多くの証券会社で、1000通貨単位で売買できます |
必要資金 | 660,000円 | レート×取引数量 |
スワップポイント | 14円(10,000通貨当たり) | 証券会社ごとに決まっています |
1日のスワップポイント | 140円 | スワップポイント/10,000×取引数量 |
1ヶ月間のスワップポイント | 4,200円 | 1日のスワップポイント×30日 |
1年間のスワップポイント | 51,100円 | 1日のスワップポイント×365日 |
結果は、以下のようになりました。
レバレッジ | 必要証拠金 | 1年間の利回り |
1 | 660,000円 | 7.74% |
5 | 132,000円 | 38.71% |
10 | 66,000円 | 77.42% |
一例として、メキシコペソ円の値を入力してあります。所望の通貨の値に書き換えて、[計算]ボタンを押してください。
スワップポイントの数値は、普通は、上記の通りなのですが、時々、「0」であったり、「2」「3」「4」倍になったりします。
詳しくは、証券会社の「スワップカレンダー」で、ご確認ください。
スワップカレンダーの一例ここで、一つ注意事項があります。
スワップは、非常に少ない額の積み重ねです。一方で、通貨を売買する時には、スプレッドがあります。この差額で、損をすることがありますので、説明します。
ドル円は、10000通貨あたりのスワップポイントが、約121円です。
レートが、1ドル=145.000円で、スプレッドが0.2銭として、買う時には、145.002円払います。
10,000通貨分買うとすると、買値は、1,450,020円で、スプレッド分は20円になります。それだけ、マイナスからのスタートになるわけです。
結果、(スワップポイント)-(スプレッド)=121-20=101円となります。
つまり、10,000通貨の取引で、101円儲かるわけです。
メキシコペソ円は、10000通貨あたりのスワップポイントが、約17円です。
レートが、1ペソ=7.500円で、スプレッドが0.2銭として、買う時には、7.502円払います。
10,000通貨分買うとすると、買値は、75,020円で、スプレッド分は20円になります。それだけ、マイナスからのスタートになるわけです。
結果、(スワップポイント)-(スプレッド)=17-20=-3円となります。
つまり、10,000通貨の取引で、3円損するわけです。
細かく売買を繰り返して、スワップポイントも得たいのならば、ドル円などをやる方が良いでしょう。
中・長期で保有して、スワップポイントで稼ぐのならば、スワップポイントの利回りの良いメキシコペソ円などをやると良いでしょう。
ただ、この先、円高方向に進む可能性もありますので、ご注意ください。円高になると、スワップポイントが吹き飛ぶほどの損失になります。
円安になることもあまり期待できないので、次に狙うのならば、もみ合いになった時のスワップでしょうか。
FXでレバレッジを利かせて、スワップで収入を得るのは、効率的ですが、少し危険があります。
一方、外国債も、年利数%の収入を得られます。
さらに、メキシコペソの投資信託もあります。
「スワップの方が儲かるでしょう」という意見もあるでしょうけど、実際にはどうなのでしょうか。
投資先 | 資金 | 年利 | 年間利息 |
FX(メキシコペソ) | 証拠金20万円 | 38.71%(レバレッジ5倍) | 7.742万円 |
メキシコ国債 | 100万円 | 9% | 9万円 |
投資信託 | 100万円 | 7.79% | 7.79万円 |
上記の例は、FXでメキシコペソを買ってスワップ収入を得る場合と、メキシコ国債を買った場合と、メキシコペソの投資信託を買った場合の比較です。
FXの方は、証拠金が20万円で、レバレッジ5倍なので、100万円を運用していることになります。
ちなみに、レバレッジを大きくすると、スワップは、もっと儲けられます。
しかし、リスクを考えると、このくらいの余裕は持たせないと不安です。
一方、国債の方は、100万円分を運用して、9万円の利息を得ます。
結果、レバレッジ5倍くらいで運用するのならば、国債を買っても、利息は、ほとんど同じなのです。
証拠金不足などの心配がない分、国債の方が良いのではないかと思います。
ただし、国債の利息を受け取れるのは、年に数回です。
投資信託も、利息は、同じようなものです。ただし、毎月分配型なら、利息は毎月少しずつもらえます。
いずれにせよ、円高になると損をするので、これからは、苦難の道になるかも知れませんね。
スワップは、売りから入ると、支払うことになります。例えば、ドルを1,000通貨売ると、毎日、98円を支払うことになります。かなりの額になるので、売りのオーバーナイトは、あまりおすすめしません。
スワップはとても魅力的で、円安になるときは、いいのですが、少し円安が一服している時は、あまり効率的ではありません。
買った時よりも円高になると、元本割れします。
情報が古かったり、間違っていることなどによる損害の責任は負いかねますので、ご了承ください。
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