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【違い】デカップリングとデリスキングとは:米中

はじめに

米中関係に代表される、デカップリング(Decoupling)とデリスキング(De-Risking)の違いとは?欧米諸国は、例えば、中国との関係において、デカップリング(分断)ではなく、デリスキング(リスク軽減)をする方針を示しています。

目次

  1. ニュース
  2. デカップリング(Decoupling)とは
  3. デリスキング(De-Risking)とは
  4. デカップリングとデリスキングの違いとは
  5. まとめ
  6. 他の経済用語
  7. 姉妹サイト

ニュース

バイデン米大統領と欧州加盟国は、中国経済から「デカップリング(分断)」ではなく「デリスキング(リスク軽減)」をしたいと主張しています。

一方、中国の国営メディアや政府当局者、学者らは、「デリスキングは偽装されたデカップリングに過ぎない」と主張。米国は「対中包囲網を強化している」と付け加えた。

デカップリング(Decoupling)とは

デカップリング(Decoupling)とは、一般的には、ある二つ以上の要素やシステムを相互に独立させることを指します。これにより、それぞれの要素やシステムが互いに影響を及ぼさずに独立して機能することが可能になります。

デカップリングは、さまざまな分野で使用されますが、特に経済や貿易、国際関係の文脈で使われることがあります。例えば、経済的なデカップリングは、ある国が他の国との経済的な依存関係を減らし、独自の経済を保護するために取られる政策や手段を指すことがあります。これにより、経済的なリスクや影響を最小限に抑えることができます。

また、技術の分野でもデカップリングの概念が使われます。例えば、ソフトウェアの開発において、モジュール化やインターフェースの設計によって、異なる機能や要素を相互に独立させることができます。これにより、変更や修正が行われても、他の要素への影響を最小限に抑えることができます。

デカップリングは、システムの柔軟性や信頼性を高めることができる一方で、全体の複雑さを増やす場合もあります。そのため、デカップリングを行うかどうかは、具体的な状況や目標に応じて慎重に検討する必要があります。

デリスキング(De-Risking)とは

デリスキング(De-Risking)は、リスクを軽減するために取られる手法やアプローチを指します。主な目的は、事業や投資などの活動に伴う潜在的なリスクを最小限に抑えることです。

デリスキングは、さまざまな分野で使用されますが、特に金融やビジネスのコンテキストでよく言及されます。金融機関や企業は、潜在的なリスクに直面した場合、経済的な損失や法的な問題を回避するためにデリスキングの手法を採用することがあります。

金融業界におけるデリスキングは、通常、以下のような手段で行われます:

  1. リスク管理ポリシーの策定:金融機関や企業は、リスク管理ポリシーを策定し、リスク管理の基準や手法を明確にします。これにより、リスクを特定し、評価し、適切な対策を講じることができます。
  2. リスクの多様化:投資ポートフォリオやビジネス活動のリスクを多様化することにより、リスクを分散させます。複数の異なる市場や部門への投資や参入などを通じて、特定のリスクに対する依存度を低減します。
  3. デューデリジェンスの実施:投資やビジネスパートナーシップを検討する際に、デューデリジェンスを実施します。これにより、関連するリスク要因や問題を詳細に調査し、リスクを特定し、対策を講じることができます。
  4. コンプライアンスの強化:金融業界では、法的な規制や規則に準拠することが求められます。デリスキングの一環として、コンプライアンスの基準を厳密に遵守することが重要です。

デリスキングの目的は、リスクを最小限に抑えることですが、完全にリスクを排除することは不可能です。したがって、デリスキングはリスクの軽減を目指すものであり、完全なリスクの除去を保証するものではありません。

デカップリングとデリスキングの違いとは

デカップリング(Decoupling)とデリスキング(De-Risking)は、それぞれ異なる概念を指す言葉です。

デカップリングは、相互に関連する要素やシステムを独立させることを指します。つまり、二つ以上の要素やシステムが互いに影響を及ぼさずに独立して機能することを目指すものです。主な目的は、システムの柔軟性や信頼性を高めることです。

一方、デリスキングは、リスクを軽減するための手法やアプローチを指します。これは、事業や投資などの活動に伴う潜在的なリスクを最小限に抑えることを目指します。主な目的は、経済的な損失や法的な問題を回避することです。

デカップリングとデリスキングの違いは以下のようにまとめられます:

  1. 目的: デカップリングは、システムの柔軟性や信頼性を高めることを目的としています。デリスキングは、リスクを軽減し、経済的な損失や法的な問題を回避することを目的としています。
  2. 対象: デカップリングは、相互に関連する要素やシステム間の関係を独立させることを対象とします。デリスキングは、潜在的なリスクを持つ活動や投資などを対象とします。
  3. 手段: デカップリングは、モジュール化やインターフェースの設計などの手法を使用して要素やシステムを独立させます。デリスキングは、リスク管理ポリシーの策定、リスクの多様化、デューデリジェンスの実施などの手法を使用してリスクを軽減します。

簡潔に言えば、デカップリングはシステムの機能や相互依存性に焦点を当て、デリスキングはリスク管理に焦点を当てています。

まとめ

中国は、「デリスキングの名の下に、デカップリングをしようとしている」というように、その違いはほとんどないという意見を持っています。

一方、欧米諸国は、デカップリングではなく、デリスキングで、リスクの軽減をするという方針。

両者、譲らずという感じですが、言葉の意味としては、デカップリングとデリスキングは、一応違います。

ただ、両方とも、程度問題であって、デリスキングを大っぴらにやれば、デカップリングになります。

すでに、半導体や一部SNSの世界では、「デカップリング」が起きています。

中国は、他の分野でも、「デリスキング」と称して、「デカップリング」が行われるのを警戒しています。

ただ、考えようによっては、極力「デカップリング」を避けて、「デリスキング」をすることで、関係改善に向かっているとも言えます。

こうして、徐々に、妥協点を見つけていけば、良いのではないでしょうか。

他の経済用語

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