2022〜2024年のリセッションで株価はどうなる? いつリセッション入りするのか……今でしょ! アメリカの株価は、十分下がりました。
米国では、GDPが2期連続でマイナスになると、テクニカルリセッションと言われます。
テクニカルリセッションは、簡易的なもので、リセッション自体は、NBER(全米経済研究所)という機関が、判断します。
リセッションになると、株価が大きく下がります。
ただし、一般的に、リセッションと呼ばれる期間以前から、株価の下落は始まります。
そうして、株価の上昇とともに、リセッション期間は、終了します。
米国S&P500の終値です。
名称 | 株価 | 下落率 | リセッション入り〜終了 | 期間 | |||
高値 | 安値 | ||||||
湾岸戦争 | 1990年7月16日 | 368.90 | 1990年10月11日 | 295.50 | -20% | 1990年7月〜1991年3月 | 8ヶ月 |
ITバブル崩壊 | 2001年5月21日 | 1312.80 | 2001年9月21日 | 965.80 | -26% | 2001年3月〜2001年11月 | 8ヶ月 |
リーマンショック | 2007年12月10日 | 1515.96 | 2009年3月9日 | 676.53 | -55% | 2007年12月〜2009年6月 | 18ヶ月 |
コロナショック | 2020年2月19日 | 3386.15 | 2020年3月23日 | 2237.40 | -34% | 2020年2月〜2020年4月 | 2ヶ月 |
この図から分かるように、金利を上げると、リセッション入りします。
より正確に言えば、金利を下げ始める時に、リセッション入りして、金利を下げ終わると、リセッションが終了します。
FF金利、米国S&P500、リセッション期間の推移です。
上図より、リセッションの少し前から、株価が下落し始めていることが分かります。
そして、株価上昇と金利が異常な状況であることが分かります。
一旦株価が下落し始めたら、異常事態が発生する可能性もはらんでいます。
この図から分かるように、米国S&P500は、すでに、下落局面を過ぎて、上昇局面に入っているのです。
もちろん、このチャートをもって、今、リセッション入りしたとまでは確定できません。
ただ、後から思うと、今、リセッション入りしていたと言われる可能性はあると思います。
ちなみに、この図の最近の高値4750〜3500までの下落率は、-35.7%になっています。
今まででしたら、これで、十分なリセッションですが、プログラム売買などが行われている昨今、これ以上下げる可能性もあります。
あくまで予測です!
米国債10年物利回りは、以下のようになっています。
実際、米国債10年物利回りも、ピークアウトしています。
ただし、今後も、利上げは、続くわけで、さらに上昇する可能性はあります。
そこが、結局、不明確なところで、どこまで上がり、いつまで続くのか。
その答えは、FRB議長ですら、今、出すことはできません。
ただし、一般的に、FF金利は、2023年に5%以上になり、利下げは、2024年の予定のようです。
これまでの例からすると、リセッションは、2024年まで続く可能性があります。
一般的に言って、金利が下がると、企業の借金の返済利子が減るので、株価は、上昇します。
つまり、この金利低下局面においては、株価は、上昇の方向性になる可能性が高いと言えます。
あと、今回の米国の利上げによって起こった株価の下落というのは、他のリセッションの時とは、状況が異なることに注意が必要でしょう。
上記のように、これまでのリセッションは、利下げをする頃になって、株価が下がっています。でも、今回は、利上げをする段階で、すでに大きく株価が下がりました。
そういうわけで、利下げをする頃には、とっくに株価が上昇局面になっていることも考えられます。
ドル円相場は、以上のように、完全に円安のピークアウトをしています。
このまま円高に向かうのか、円安に戻るのか、もみ合いになるのか。
それは、米国と日本の金融政策にかかっています。
米国FOMCの日程は、以下のようになっています。
1月25日〜26日
3月15日〜16日
5月3日〜4日
6月14日〜15日
7月26日〜27日
9月20日〜21日
11月1日〜2日
12月13日〜14日
1月31日 〜 1日
3月21日 〜 22日
5月2日 〜 3日
6月13日 〜 14日
7月25日 〜 26日
9月19日 〜 20日
10月31日 〜 1日
12月12日 〜 13日
プログラム売買の影響もあると思いますが、年々、リセッション時の株価下落に拍車がかかります。下落し始めたら、すぐに対処すべきでしょう。
次のリセッションが起こるとすると、欧米中心に起こるものと思われます。もちろん日本も影響を受けますが、欧米に比べて、軽く済む可能性はあります。
「株式市場は過去5回のリセッション(景気後退)のうち、9回を予測した」。米経済学者ポール・サムエルソンが1966年に放った痛烈な皮肉である。
昔も今も経済予測は思うように当たらない。新型コロナウイルス禍とウクライナ戦争が招いたインフレの震度を、米欧の当局が見誤ったのは記憶に新しい。
IMFが「ポジティブ・サプライズ」と評した好転の兆しは、確かに本物かもしれない。だが世界経済の「偽りの夜明け」に失望することにはならないだろうか。
2023年2月8日日本経済新聞
個人的見解を言わせていただければ、すでにリセッション入りしていると言えると思います。
あとは、いつまで続くかですが、最近の状況を勘案すると、意外に長引く可能性はあると思います。おそらく2024年まででしょうか。
一般的に、2023年上半期は、債券投資が良いと言われています。金利が高く、株価は下がり、為替相場が安定しそうだからです。ただし、日本の場合、日銀などの方針によって、円高になる可能性があるので、債券投資は、注意が必要でしょう。
2023年下半期は、株が本格的に持ち直すと言われています。利上げが停止されそうだからです。
そして、2024年頃の利下げをもって、リセッション終了となるのではないでしょうか。
もう一つ。リセッションになっても、株価が下がるわけではないということです。特に、今回は、米国の利上げで株価が下がって、リセッションになったようなものなので、利上げペースの鈍化〜利上げ停止〜利下げと、株価が、回復していくことが見込まれます。つまり、リセッションの終了前に、株価が、上昇する可能性が高い。これまでの利下げ時の株価が下がるというセオリーが通じない可能性があります。そこのところ、注意しましょう。
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