米国大統領選の日米の株価・ドル円への影響：トランプ対バイデン

はじめに

米国大統領選の日本と米国の株価・ドル円（為替）への影響をまとめました。トランプ対バイデンの構図ですが、他にも候補者がいます。バイデン大統領が再選された場合、日米の株価は、当面は上昇する可能性が高いと考えられます。トランプ前大統領が再選された場合、日米の株価は、当初は下落する可能性が高いと考えられます。

目次

候補者リスト

2024年の米国大統領選の候補者は、まだ正式に決定していませんが、有力な候補者として、以下が挙げられます。

民主党：ジョー・バイデン大統領

共和党：ドナルド・トランプ前大統領

共和党：ロン・デサンティスフロリダ州知事

共和党：テッド・クルーズ上院議員

共和党：サラ・ペイリン元アラスカ州知事

2023年12月20日時点の世論調査によると、民主党のバイデン大統領は、共和党のトランプ前大統領に3ポイントの差をつけており、再選の可能性が高いとされています。しかし、トランプ前大統領は、依然として共和党の支持層から強い支持を受けており、選挙戦が激化する可能性もあります。

また、共和党の候補者は、バイデン大統領の支持率低下を背景に、複数の候補者が名乗りを上げており、予備選挙は混戦が予想されます。

勝敗の分かれ目

2024年の米国大統領選の勝敗の分かれ目になりそうなポイントは、以下のとおりです。

• インフレ

インフレは、米国経済にとって最大の懸念事項であり、選挙戦でも重要な争点となると考えられます。インフレがさらに加速した場合、バイデン大統領の支持率は低下し、トランプ前大統領に有利に働く可能性があります。

• 経済成長

経済成長も、選挙戦で重要な争点となると考えられます。経済成長が鈍化した場合、バイデン大統領の支持率は低下し、トランプ前大統領に有利に働く可能性があります。

• ウクライナ戦争

ウクライナ戦争は、米国の外交政策に大きな影響を与えており、選挙戦でも重要な争点となると考えられます。バイデン大統領は、ウクライナを支援する姿勢を堅持していますが、トランプ前大統領は、ウクライナへの支援に消極的な姿勢を示しています。ウクライナ戦争の行方が、選挙戦にも影響を与える可能性があります。

• 社会情勢

米国では、人種差別や銃規制など、さまざまな社会問題が深刻化しています。これらの社会問題に対する各候補者の対応が、選挙戦でも重要な争点となると考えられます。

• 候補者の人気

候補者の人気も、選挙戦の勝敗に大きな影響を与えます。バイデン大統領は、高齢であることや、言動の失言が目立つことから、人気が低下しています。トランプ前大統領も、過激な発言や、暴力的な支持者がいることから、敬遠する有権者も少なくありません。候補者の人気が、選挙戦の勝敗を左右する可能性もあります。

なお、これらのポイントはあくまでも可能性であり、実際にどのポイントが勝敗の分かれ目になるかは、選挙戦の展開によって変わってくるでしょう。

米国大統領選で人気があるのは

2023年12月13日現在、米国大統領選で人気があるのは、共和党の候補者であるドナルド・トランプ前大統領です。

ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が実施した世論調査によると、共和党予備選の有権者の間ではトランプ氏の支持率は54％で、2位のフロリダ州のデサンティス知事（17％）を大きく引き離しています。

トランプ氏は、2020年の大統領選で民主党のジョー・バイデン大統領に敗れたものの、依然として共和党内で絶大な支持を誇っています。トランプ氏は、移民や貿易などの問題で強硬な姿勢をとり、保守派の支持を集めています。

民主党の候補者としては、現職のバイデン大統領が人気があります。バイデン大統領は、2020年の大統領選でトランプ氏を破り、大統領に就任しました。しかし、バイデン大統領の支持率は低迷しており、2024年の大統領選でトランプ氏に敗れる可能性も指摘されています。

また、無所属候補として、ロバート・ケネディ・ジュニア氏が立候補を表明しています。ケネディ氏は、反ワクチンなどの主張で知られる人物であり、無所属候補として一定の支持を集める可能性があります。

このように、2024年の米国大統領選は、トランプ氏とバイデン大統領の再選争が注目されるとともに、無所属候補のケネディ氏の存在も大きく影響する可能性があると言えます。

日米の株価への影響

2024年の米国大統領選の候補者ごとの大統領になった時の日米の株価への影響は、以下のとおりです。

ジョー・バイデン大統領

バイデン大統領が再選された場合、日米の株価は、当面は上昇する可能性が高いと考えられます。バイデン大統領は、穏健派として知られており、国際協調を重視する姿勢を表明しています。そのため、米中対立の緩和や、世界経済の安定化につながるとの期待から、株価が上昇すると考えられます。

ただし、バイデン大統領は、インフレ対策に苦戦していることから、今後、インフレがさらに加速した場合、株価は下落する可能性があります。

ドナルド・トランプ前大統領

トランプ前大統領が再選された場合、日米の株価は、当初は下落する可能性が高いと考えられます。トランプ前大統領は、保護主義的な政策を推進しており、米中対立の激化や、世界経済の不安定化につながるとの懸念から、株価は下落すると考えられます。

ただし、トランプ前大統領は、法人税率の引き下げや、規制緩和などの政策を実施しており、企業業績の向上につながるとの期待から、株価は上昇する可能性もあります。

ロン・デサンティスフロリダ州知事

デサンティス知事は、トランプ前大統領の支持者から強い支持を受けており、トランプ前大統領の政策を継承する可能性があります。そのため、デサンティス知事が大統領になった場合も、日米の株価は、当初は下落する可能性が高いと考えられます。

テッド・クルーズ上院議員

クルーズ上院議員は、共和党の保守派として知られており、トランプ前大統領の政策を支持しています。そのため、クルーズ上院議員が大統領になった場合も、日米の株価は、当初は下落する可能性が高いと考えられます。

サラ・ペイリン元アラスカ州知事

ペイリン元知事は、トランプ前大統領の盟友として知られており、トランプ前大統領の政策を継承する可能性があります。そのため、ペイリン元知事が大統領になった場合も、日米の株価は、当初は下落する可能性が高いと考えられます。

なお、これらの予想はあくまでも可能性であり、実際にどの候補者が大統領になった場合でも、どのような政策を実施するかはわかりません。また、株価は、さまざまな要因によって変動するため、上記の予想は必ずしも当たるとは限りません。

米国大統領選で株価が上がるセクター

2024年の米国大統領選で株価が上がるセクターとしては、以下のようなものが挙げられます。

• エネルギーセクター

トランプ氏は、エネルギー開発を推進する姿勢を示しています。トランプ氏が再選した場合、エネルギー業界への規制緩和や、石油・ガスの生産拡大などの政策が期待されます。これにより、エネルギーセクターの株価が上昇する可能性があります。

• 防衛セクター

トランプ氏は、中国やロシアなどの軍事的脅威に対抗するために、国防費の増額を主張しています。トランプ氏が再選した場合、防衛費の増額により、防衛セクターの需要拡大が期待されます。これにより、防衛セクターの株価が上昇する可能性があります。

• ヘルスケアセクター

トランプ氏は、保険制度改革（オバマケア）の廃止を主張しています。トランプ氏が再選した場合、オバマケアの廃止により、民間保険への需要拡大が期待されます。これにより、ヘルスケアセクターの株価が上昇する可能性があります。

• 小売セクター

トランプ氏は、減税や規制緩和を実施することで、経済成長を促進する姿勢を示しています。トランプ氏が再選した場合、経済成長により、個人消費の拡大が期待されます。これにより、小売セクターの株価が上昇する可能性があります。

一方、以下のセクターの株価は下落する可能性があります。

• ハイテクセクター

トランプ氏は、中国との技術覇権争いにおいて、米国企業を優遇する姿勢を示しています。トランプ氏が再選した場合、中国への輸出規制や、中国企業への制裁などの政策が期待されます。これにより、中国向けのビジネスを展開するハイテクセクターの株価が下落する可能性があります。

• 金融セクター

トランプ氏は、金融規制の緩和を主張しています。トランプ氏が再選した場合、金融規制の緩和により、金融業界のリスクが高まる可能性があります。これにより、金融セクターの株価が下落する可能性があります。

• サービスセクター

トランプ氏は、移民の抑制を主張しています。トランプ氏が再選した場合、移民の抑制により、サービス業界の労働力不足が深刻化する可能性があります。これにより、サービスセクターの株価が下落する可能性があります。

もちろん、これらのセクターの株価が必ず上昇するわけではありません。選挙結果や、その他の経済情勢によって、株価は大きく変動します。投資を行う際には、十分な情報収集と分析を行うことが重要です。

株価の推移

トランプ氏が大統領だったのは、2017年1月20日〜2021年1月20日でした。

その後、バイデン氏が、大統領になりました。

以下、米国のダウの10年チャートです。

これを見ると、特に、トランプ氏の時に、株価が下落しているとは思えません。

むしろ、バイデン氏の時は、頭打ちになっているように見えます。

次に、日本の株価の推移です。

この間、株価は、低空飛行ならが、上昇しています。

特に、どちらの大統領の時が、良かったとは、言えません。

また、両氏の大統領時代のドル円の推移です。

これを見る限り、明らかに、トランプ氏の時よりも、バイデン氏の時の方が、ドル高が進行しています。

この差は、顕著で、利上げの影響が大きいのでしょう。

ちなみに、この時期に利下げをしたのは、2020年から2021年にかけての新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックの時です。

一方、利上げをしたのは、2015年から2018年の景気拡大期と、2022年から現在までのインフレ抑制期です。

コロナに翻弄された印象で、どちらが良かったとは、一言では言えません。

トランプ氏が大統領になった場合

トランプ氏が大統領になった場合、以下のようなことが起こりそうです。

国内政策

• 移民政策の強化
• 貿易政策の保護主義的転換
• 税制改革の実施
• 司法制度の改革
• 教育政策の改革
• 環境保護政策の弱体化

外交政策

• 中国やロシアとの対立激化
• 北朝鮮との交渉再開
• 中東和平プロセスの再活性化
• 国際機関への不信感の高まり

• 国際経済
• 米ドル高の進行
• 世界経済の不安定化
• 日本の経済成長率の低下

具体的には、以下のようなものが考えられます。

• 移民政策

トランプ氏は、移民の大幅な削減を公約に掲げています。そのため、メキシコとの国境壁の建設や、難民の受け入れ制限、不法移民の強制送還などが実施される可能性があります。

• 貿易政策

トランプ氏は、中国やメキシコなどの国々との貿易赤字を是正するために、保護主義的な貿易政策を推進すると考えられます。そのため、関税の引き上げや、輸入制限などの措置が実施される可能性があります。

• 税制改革

トランプ氏は、法人税率の引き下げや、減税措置の拡大などを公約に掲げています。そのため、法人や個人の税負担が軽減される可能性があります。

• 司法制度の改革

トランプ氏は、司法制度の独立性を損なうような改革を推進する可能性があります。そのため、最高裁判所の判事の任命権を拡大したり、司法制度の予算を削減したりするなどの措置が実施される可能性があります。

• 教育政策

トランプ氏は、公立学校の選択肢を増やすことや、学校の予算削減などを公約に掲げています。そのため、公立学校の選択制の拡大や、学校の予算削減などの措置が実施される可能性があります。

• 環境保護政策

トランプ氏は、環境保護の規制を緩和するような政策を推進する可能性があります。そのため、温室効果ガス排出規制の緩和や、環境保護団体への支援削減などの措置が実施される可能性があります。

外交政策においては、トランプ氏は従来のアメリカの外交政策を大きく転換する可能性があります。具体的には、中国やロシアとの対立を激化させ、北朝鮮との交渉を再開させるなどの措置が考えられます。

また、国際経済においては、トランプ氏の保護主義的な貿易政策が世界経済の不安定化を招く可能性があります。そのため、米ドル高の進行や、日本の経済成長率の低下などの影響が懸念されます。

なお、これらの予想はあくまでも可能性であり、実際にトランプ氏が大統領になった場合、どのような政策を実施するかはわかりません。しかし、トランプ氏はこれまでにも、予測不能な発言や行動を繰り返してきたことから、今後のアメリカの政治や経済に大きな影響を与える可能性があることには注意が必要です。

バイデン氏が大統領になった場合

ジョー・バイデン大統領が2024年の大統領選で再選された場合、以下のようなことが起こりそうです。

国内政策

• インフレ対策の強化
• 気候変動対策の強化
• 銃規制の強化
• 移民政策の改革
• 教育政策の改革
• 医療政策の改革

外交政策

• 中国やロシアとの対立の継続
• 北朝鮮との交渉の継続
• 中東和平プロセスの推進
• 国際機関への支援の強化

具体的には、以下のようなものが考えられます。

• インフレ対策

バイデン大統領は、インフレ対策として、財政出動や利上げなどの措置を実施してきましたが、効果が十分に出ていないことから、再選された場合、さらなる対策を講じる可能性があります。

具体的には、財政出動を拡大したり、利上げを更に進めたりするなどの措置が考えられます。

• 気候変動対策

バイデン大統領は、気候変動対策として、クリーンエネルギーへの移行を進めてきましたが、目標達成には至っていないことから、再選された場合、さらなる対策を講じる可能性があります。

具体的には、クリーンエネルギーへの投資を拡大したり、化石燃料の利用を抑制したりするなどの措置が考えられます。

• 銃規制

バイデン大統領は、銃規制の強化を公約に掲げていますが、実現には至っていません。再選された場合、銃規制の強化に向けた取り組みを強化する可能性があります。

具体的には、銃の購入制限や、銃の所持許可の厳格化などの措置が考えられます。

• 移民政策

バイデン大統領は、トランプ前大統領の移民政策の撤廃を進めてきましたが、完全な撤廃には至っていません。再選された場合、移民政策の改革をさらに推進する可能性があります。

具体的には、メキシコとの国境壁の建設の中止や、難民の受け入れ拡大などの措置が考えられます。

• 教育政策

バイデン大統領は、教育機会の平等を実現するための政策を進めてきましたが、実現には至っていません。再選された場合、教育政策の改革をさらに推進する可能性があります。

具体的には、公立学校の予算増額や、大学の授業料の負担軽減などの措置が考えられます。

• 医療政策

バイデン大統領は、医療保険制度の改革を公約に掲げていますが、実現には至っていません。再選された場合、医療保険制度の改革に向けた取り組みを強化する可能性があります。

具体的には、メディケアの拡充や、メディケイドの対象拡大などの措置が考えられます。

外交政策においては、バイデン大統領は、中国やロシアとの対立を継続する一方で、北朝鮮との交渉を再開するなどの取り組みを進めてきました。再選された場合、これらの取り組みを継続する可能性があります。

また、中東和平プロセスの推進や、国際機関への支援の強化などの取り組みも継続する可能性があります。

なお、これらの予想はあくまでも可能性であり、実際にバイデン大統領が再選された場合、どのような政策を実施するかはわかりません。しかし、バイデン大統領は、民主党の穏健派として知られており、民主党の支持層から強い支持を受けていることから、上記のような政策を実施する可能性が高いと考えられます。

米中関係

2024年の米国大統領選で、ドナルド・トランプ前大統領が再選した場合、米中関係はより対立的な方向に進む可能性が高いと考えられます。トランプ氏は、中国を「米国の最大の敵」と位置づけ、貿易戦争や技術覇権争いなど、中国に対して強硬な姿勢をとってきました。

トランプ氏が再選した場合、中国への経済制裁や軍事的圧力の強化など、対中強硬政策をさらに推進する可能性があります。これにより、米中関係はさらに緊張し、軍事衝突のリスクが高まる可能性があります。

一方、現職のジョー・バイデン大統領が再選した場合、米中関係はより安定的な方向に進む可能性が高いと考えられます。バイデン大統領は、トランプ氏の対中強硬政策を修正し、中国との協力や対話の強化を目指しています。

バイデン大統領が再選した場合、中国との経済協力や気候変動対策などの分野で協力を深める可能性があります。これにより、米中関係はより安定し、世界経済の成長や地球環境の保全につながる可能性があります。

また、無所属候補のロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領に当選した場合、米中関係はより複雑な方向に進む可能性があります。ケネディ氏は、トランプ氏の対中強硬政策を批判する一方で、バイデン氏の対中協力政策にも疑問を呈しています。

ケネディ氏が大統領に当選した場合、中国との距離感を保ちつつ、対話と協力の可能性を模索する姿勢を取る可能性があります。これにより、米中関係はより安定する一方で、世界経済や地球環境への影響が不透明になる可能性があります。

このように、今後の米中関係は、大統領になる人物によって大きく左右されると考えられます。

まとめ

大統領によって、政策などは大きく異なります。

その行方に注目が集まりますが、株価に関して言えば、上がるセクターと下がるセクターがあるので、うまく運用すれば、問題ないと思います。

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